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水産業の変化について調べよう

5年社会  水産業

課題 資料をもとに、日本の水産業の変化を見つけよう

教科書のこのページの資料は、グラフと地図のみ。
写真がなく、課題も前時のように具体的でない。
子どもの興味・関心もあまり高くないと考えられる。

さて、どうするか。

いつでも本年度の学校の研究を念頭に据えている。
かかわり合いー資料の活用ー特別支援教育の視点・・・

1 資料読み取りの基礎学習

まず、課題に入る前に、
「今日は資料としてグラフを使うよ。グラフの読み方知ってるかな?」

中学年での既習事項、算数におけるグラフの読み方を数分で押さえて確認。
棒グラフ3年、折れ線グラフ4年。理解していて当然のこと。
しかし、分かってない子どもが一人でもいる可能性があるときはすべき。
水産業の変化について調べよう_c0052304_1133257.png水産業の変化について調べよう_c0052304_11332135.png

縦軸、横軸が何を表しているか見ること。
横軸が時間的流れの時は、変化を見ることができること。
上に上がっていけば増加、下の下がっていけば減少と変化を見ることができるのがグラフ。


2 課題と1資料を提示し、グラフの一部を予想。

「資料をもとに、日本の水産業の変化を見つけよう。」
「最初に見てほしいのはこのグラフ。」

教科書にある資料の3つの漁業名を消したもの。
水産業の変化について調べよう_c0052304_11415071.jpg

標題と、折れ線グラフ4つが同時に表されていることを確認。
黒板に提示し、子どもには手元に。

3つの漁業名は前の日の学習の中で出てきた3つ。
   
     遠洋・沖合・沿岸

すると、子どもは変化に気をつけながら予想しだす。

「この途中までぐんと増えてる漁業はどれかな?急に下がってるのは変だけど。」
「青色はだいぶ減ってるよ。何漁業だろう?」
「これが遠洋かな?」

「とにかくカンでもいいから、あてはめてごらん。」

書き始めたが、首をひねっている子どもが・・・
「先生、○○君はきのう休んでたから、どの漁業がどんなのか知らないよ。」
「きのうのテレビもう一回見ようよ。」

そのつもりだったことを、子ども側から出してくれた。

「そうだね。休んでいた人のことを考えてやるなんて優しいね。
 すべてじゃないけど、この3つの漁業に関係あるところ。
 きっと今、みんながやってることにも役立つよ」

NHK for school 社会のトビラ 日本の漁業 
水産業の変化について調べよう_c0052304_12533161.jpg
  
の中の5分間を再視聴。

休んでいた子どもは、各漁業の違いを知ることができた。
ある子どもは番組の中の説明を聞き逃さず(「○○漁業が日本で水揚げ量が多い」)、
「あ。今のヒントだ!」と自分の予想に生かしていた。

その後教科書で確認してみる。

青=遠洋
紫=沖合
緑=沿岸

3 資料「水産業の変化」の折れ線グラフを見ながら、課題について調べ、
  班で話し合い、全体で発表。
 「4人班で話し合って、気付いたことを最低2つずつは発表しよう。」

・遠洋漁業が昔は一番魚が捕れていたのに、今では最低。
・沖合漁業は1985年ごろはとても多かったのに、急に減りだしている。
・沿岸漁業はあまり変化がない。
・全体的にどの漁業も生産高が減っている。
・養しょく業だけが増えてきている。

4 気付きについて、他の資料を見ながら深く、全体で考える。

「なぜ漁業の生産高が減ったのだろう?」
     →「このグラブを見ると働く人が減っています。」
      「昨日のテレビで日本人は魚を食べる人が減っていると言っていた。」
水産業の変化について調べよう_c0052304_130214.jpg


「遠洋漁業が減ってきたわけや、沿岸漁業も一時はかなり増えたのに急に減りだしたことに関係ある資料を探してみよう」
    →「200海里!」「何?200海里って?」「ここに載ってるよ」
 
水産業の変化について調べよう_c0052304_12472669.jpg

 子どもには200海里の理解は難しかったよう。ただ地図を見て、日本の漁場と他国の200海里水域が重なってることにあれ?と思った子どももいた。時間の関係上詳しくは学べなかったが、興味ある子どもにはさらに調べてみるよう伝えた。

    「沿岸漁業はこんなに増えたのにどんどん減ってるのはどうしてかな?」
    「魚が捕れなくなったのかな?」
    「養しょくに変えたのかも。」
    「養しょくって何?」

子どもの疑問的つぶやきはまだまだあったが、時間の関係上、終了。
日本の漁業が、勢いがあった時代から、厳しい時代にになってきた現状は何となく把握し、
養しょく業への課題意識が高まって終わった感じ。


 この日の感想に、いつも集中力をかく支援の必要な子どもが
「今日の社会は分かりやすくて楽しかった。」
と書いたのを見て、ちょっぴりうれしくなった。

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このような資料も役立ちます。
  ↓
ー別資料ー
(日本の水産業と現状と未来 のサイトに以下のように述べられています)ー

 沿岸から200海里を排他的経済水域と定める国連海洋法条約の採択に向けた会議は、この年に始まりました。この年を境に、遠洋漁業の漁獲量は減少していきます。1977年には、アメリカとソ連(現在のロシア)が200海里水域における時刻の権利を宣言し、日本が操業できる漁場は、どんどん狭くなっていきました。
 その後も漁業協定などを結んで漁場を確保する努力を続けていますが、アメリカやニュージーランドとの協定では、200海里水域内に日本に割り当てる水産資源はないとされ、協定が終わってしまいました。現在では、その海域での操業は、マグロなど一部の魚を除いてはできなくなっています。
漁場の縮小にともない遠洋漁業の漁獲量は減り続け、2005年には、最盛期の15%にも満たないところまで落ち込んでいます。


1973年以降遠洋漁業の漁獲量は減少しましたが、日本の漁業全体の生産量は伸び続け、1984年に最高の生産量を記録しました。これは、マイワシやマサバなどが豊漁で、日本の200海里水域で行う沖合漁業の漁獲量が、遠洋漁業の減少分を補っていたためです。
しかしその後、マイワシやマサバなどが、急に不漁となります。この結果、1990年代に入ると、沖合漁業の生産量も急激に減ってしまいました。このように魚が極端に減ってしまった原因には、海洋環境の変化などもありますが、水産資源を適切に管理せず、乱獲を行ったことも大きな原因となっています。
1996年に国連海洋法条約を締結した日本は、自国沿岸の200海里水域の水産資源を確保するため、近海の魚の数が過去20年間と比べて、どのような状態にあるのかを調査しています。
1980年代に豊漁だったマイワシは、近年では数が激減していますが、他にも多くの魚が減っています。2006年の調査結果では、マダラやスケトウダラなど、多くの魚の群れでも、資源の減少が明らかになりました。こうした調査結果は、魚の種類ごとに漁獲量を管理するための目安として使われています。

by saibikan | 2013-09-21 12:42 | 社会授業 | Trackback | Comments(0)


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