カテゴリ:図工室経営・図工美術論( 77 )

自己紹介から共通事項へ

最近講座やセミナーで、〔共通事項〕を自己紹介に絡めて説明している。
図画工作において、基本的かつ大切な内容。
図工美術教育に深く携わる者以外は案外知らなかったりする〔共通事項〕。
そのとき使ったプレゼンをムービーに。
言葉がないので、想像力を膨らませてごらんあれ。




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by saibikan | 2016-10-08 11:34 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

対話による美術的鑑賞を学ぶ

「風神雷神はなぜ笑っているのか」(上野行一 光村図書)の中で、最も実践に役立つ「授業の進め方」の内容は大きく言えばこれ 
      ↓ 
対話による美術鑑賞の授業3つのステップ (PDCAに沿っている)
 Step1 心構えと授業の始め方   (Plan)
 Step2ナビゲーションとリレーション (Do)
 Step3評価と改善 (Check,Action)

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 詳しく述べていくと、以下のようである。

Step1 では 
まず、対話による鑑賞授業3つの原理として次の3つが述べられる。
(1)「受容」発言を受容すること
(2)「交流」発言から対話を組織すること
(3)「統合」発言の向上的変容を促すこと
次に、授業の始め方だ。以下の6つ。
(1)アイスブレーキングで緊張ほぐし
(2)ポジショニングを工夫
(3)約束の指示
(4)最初の質問
(5)十分に待つ
(6)最初の発言

Step2ではナビゲーションリレーションについて述べられる。
1ナビゲーションとは、質問・指示・説明のこと。具体的な9項目がある。

(1)開かれた質問 (2)思考のための助言 (3)多用の思考化

(4)対話のための焦点化(5)話題の転換(6)ゆさぶり

(7)論点の整理(8)解説(9)まとめ

2リレーションとは、支援・奨励
(1)確認 (2)繰り返し (3)言い換え (4)要約
(5)付け足し (6)掘り下げ(7)称賛 (8)同意 (9)励まし   

それぞれについて詳しく書いてあることを、読みながら実際の授業と重ね合わせるといい。
私はこれまで自分が行ってきた授業をこのstep2と並べて振り返りたいと思った。
そのことこそが 最後のStep3となる。

STep3は、「評価と改善」である。評価の手順と改善、実際の授業例などが書かれている。

詳しく知りたい方は、本を読むべし。

そして自分はもう1回、風神雷神図屏風をじっくり見ることから始めよう・・・



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by saibikan | 2016-08-16 21:15 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

おすすめに「ちいさいタネ」

10月の読書月間にちなんで、毎年、「先生のお勧めの本」コーナーが設けられる。
私はいつも自分が子どものころ読んで心に残った本を紹介する。
「宝島」
「トム・ソーヤーの冒険」
この2冊を1年交代でこれまで紹介した。
わりと中・高学年の子ども向けだった。

でも今年はちょっと変えた。

低学年向きの「ちいさなタネ」(エリック・カール)にした。
したがって紹介文も低学年向きに書いた。
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なぜこの本を選んだのか?

それは、この夏にこの本を読んで自分が気に入ったから。
物語だけでなく、エリック・カールの色彩の美しさに見とれたから。
その時、アマゾンで購入して教室の「さいび文庫」にも並べておいた。
(私は今、中学年の担任だが、いい絵本は教室にも置きたい。)

そして、この本が、今年の小学1年生図画工作の教科書の1ページ目に
載っていることも理由の一つだった。
鮮やかな色彩、楽しそうな花と鳥。切り貼りしたような独特の図柄。
1年生に図画工作の教科書に、エリック・カールの楽しい絵が載っていることを
伝えたかった。
(もちろん気づいている子はいっぱいいただろう。
 1年担任は授業では扱っていないとおしゃった。)

図書室にもこの本はある。
「先生たちお勧めの本コーナー」には
「さいびかん先生のおすすめの本です」というカードが添えられて
「ちいさいタネ」の本が飾ってあった。

そして先日、私のクラスの子どもが
「ほら、KAN先生が紹介した本を借りたよ。」
と手に持って見せてくれた。
私は
(同じ本が、教室にはもう2ヶ月前から置いてあるんだけどなあ・・・)
と思ったが、にっこりして
「ありがとう。」
と返した。

エリック・カールの本というと、前任校での鑑賞の授業を思い出す。

ここも読んでいただければ幸いです。
         ↓

  

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by saibikan | 2015-11-22 19:06 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q5〜鑑賞授業例2

図工授業Q5〜鑑賞授業例②

図画工作の日常の授業での鑑賞。
最も多いのは、作品が出来上がったときの、互いの鑑賞会。
様々な方法がある。

自分たちの作品の鑑賞方法についてー絵を例に考えよう。

◯自分で作品を手にして、みんなの前で一人ずつ発表する。(プレゼン形式)見ている方は、絵に対するよさを発言する、つぶやく。

◯自分の作品を手にして学級の半分の児童は立っておき、目の前に来た人に話す。(ポスターセッション形式)半分の児童は歩き回りながら、絵に対して質問したり感想を述べたりする。交代する。

◯班の中で、自分の作品を紹介し、感想をもらう。(グループでの話し合い形式)

◯全員が絵を持って教室を歩き回り出会った人と、作品を交換してよさを伝えあう。(対話形式)

◯絵だけを机の上においておき、全員が歩き回って自由に見て回り、自由に話す。(フリー鑑賞形式)

このように、いろいろなケースがある。

これらはすべて、鑑賞して、よさを言葉で伝えるということで示している。
しかし話すことばかりではない。
それぞれに、話し言葉の代わりに、学習シートに書いたり、
付箋紙でメモして渡したり貼ったりと伝え方はいろいろある。
立体作品になると、また手法は若干変わってくる。


要は、「上手に発表すること」が目的ではなく「よりよく作品を見る」ことが目的である。
そして、その鑑賞している側を評価するのが、鑑賞をねらいとした授業となる。
ただし、鑑賞者が絵をどう見たかを評価するだけなら、最初の◯のような発表形式で、
絵を見て思ったことをシートに書かせそれを集めればよい。
しかし、全体で発表と感想の繰り返しではそれでは授業はつまらない。
黙っている時間も多くなる。飽きてくる。心の中に感動がない。
パターン化された鑑賞にしかならない。ということは子どもに鑑賞力はつかない。

もちろん、どんなパターンであれ、何を見ればよいか示したり
気付かせたりする時間は必要である。
そこが教師の指導であり、授業の最初に押さえることだ。
それに普段から鑑賞をしっかりやっておけば子どもは自然に分かるようになる。


ただ、先程述べたように、手法としては1対他のような発表形式でない方がよい。
相手に伝えることで、鑑賞者は一生懸命に絵を見ようとする。
コミュニケーションの場が多く生まれるスタイルがよい。

子どもは観点を持って絵を見る。
そこから発見したよさをすぐに目の前の相手(作品)に伝える。
伝えられた方は、心地よさを感じる。
表現者としての満足感が出る。

(レベルが上がればアドバイスも素直に受け取り、よりよいものをめざすようになる)
他者に伝えようとするとき、よりいっそう、視点を持ってみるようになる。
自分たちの作品の鑑賞は、
 子どもたちが表現者の立場になったり、鑑賞者になったり
を繰り返していく。
そういった交流の場が多く主体的に行われることで、力がつき、心も豊かになる。

作品が完成した時の交流鑑賞は、短時間でも、地味でも継続してやることである。
最初は「ほめ」を基本とした方が、絶対によい。
そうすることで、絵を人に見られることへの抵抗感がなくなり、表現を冷やかしたりする態度は減る。
人間関係も円滑になる。学級作りにも大きく役立つ活動である。

私は、6年前にこんなことを思って、作品鑑賞をやっていたようだ。
       ↓

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私が行う大半の鑑賞活動は、今でも付箋紙の活用だ。それに対話を付け加えて行うことが多い。




 



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by saibikan | 2014-11-22 10:18 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q5〜鑑賞授業例1

図工授業Qでは鑑賞への質問は多かった。
前回、理論的なことは述べたが、
「実際、授業はどうやるの?」
という問いに対する答えには実践で述べるしかない。

表現活動の中で鑑賞の日常化をーと言った。

表現活動でまず鑑賞する機会と言えば、
普通の授業で普通の教師がやることと言えば、

「教科書の作品の活用」

子どもたちは何気なく教科書の作品を見ている。c0052304_00084299.jpg
せっかくもらった教科書、新しい時に必ずぱらぱらと見る。
そこにはいい作品が必ずある。
それをどう生かすか。

表現の導入で、参考作品(教科書の絵)を見てよさをみつける。
それだって立派な鑑賞。
1時は、ねらいによって、関心・意欲でも、鑑賞にでもなる。

5年前の3年生の「心キラリ」の導入の授業。
「鑑賞」をどの程度意識したかは記憶が薄れているが、
読み直すと、「見ること」を大切にしていたと分かる。
      ↓

少しは参考になるかな。



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by saibikan | 2014-11-17 22:13 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q4〜鑑賞指導について

図工授業Q4 鑑賞指導


1 鑑賞指導をするにあたって

鑑賞と言っても実は広い。
名画の鑑賞だけではないのである。
ここをよく間違う小学校の先生がいる。
「鑑賞は難しい、自分は絵のことを詳しく知らないから。知識がないから。」

だから私は言う。
「いやいや違うのですよ。必要なのは名画等の知識でなく、
どのようなものを対象として鑑賞するかという活動の概要と、
どのように見るかと言う活動の方法を学ぶべきなのです。」
と。私たちは解説者ではない。学習指導者である。



2 小学校における鑑賞

 小学校の鑑賞は「作品などを鑑賞する」である。

c0052304_16140960.jpg「作品など」とは、児童の見方や感じ方を深めるための対象のこと。
児童が手にした材料、自分や友人が表現している作品、美術作品や製作の過程、文化財等。
など、としているのは作り始めから終わりまでという幅広い意味で表現物をさしている。

「鑑賞する」とは、作品等を見たり触ったりする、表現して楽しかったことを話す、友人と話し合うといった活動で、よさや美しさを感じ取ったり、表現の特徴や表し方の変化をとらえたりする。

そこから、自分の表現を振り返って表し方を工夫したり、
社会や文化とのかかわりを考えたりする活動が展開することになるのである。
つまり鑑賞は表現と密接に関連している。
表現の中で、無意識に鑑賞は常に行われているといってもよい。
指導要領解説書の中でも
「表現と鑑賞は本来一体であり、相互に関連して働きあう」
という文言がある。

表現活動の中でまずは鑑賞活動を日常化しよう。

3 観賞の系統性

ところで、鑑賞指導は、学年の発達段階に応じて次のように系統立ててある。

低学年=自分たちの身の回りの作品、材料。
    楽しく見る。形や色、表し方の面白さ、材料の感じに気付く。

中学年=自分たちの作品や、身近にある美術作品や製作の過程。
    よさや面白さを感じ取る。表し方の違いや材料の感じなどが分かる。

高学年=自分たちの作品、我が国や諸外国の親しみのある美術作品、暮らしの中の作品。
    よさや美しさを感じ取る。表し方の変化や意図、特徴等をとらえる。


高学年になると、もちろん親しみのある美術作品が出てくる場合がある。
その際、扱おうとする作品について学べばよい。
それぐらいは教材研究として、当然すべきことである。

4 独立した鑑賞

c0052304_16104417.jpgそして独立した鑑賞は高学年だけではない。
「指導の効果を高める必要がある場合には全ての学年の児童に鑑賞を独立して行うことができる」
とあるように、どの学年でも可能である。
もちろんやみくもに、ではなく、配慮すべき点もある。それは
 ①児童が、よさ・美しさに関心を持って見たり、一人一人が感じ方・見方を深められるような内容。
 ②児童の発達段階に応じた関心や親しみ度のある作品。知識や理解は結果として得られるようなもの。
 ③言葉にしたり話し合ったりするなど言語活動を充実。






****************************************

私たちが10年前に共同研究した「鑑賞の授業」は、すでにそのようなことをふまえていたな、とあらためて思う。


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by saibikan | 2014-11-16 16:16 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q3〜版画指導

図工授業Q3 版画指導について

版画は幅が広いので、学年や版種がどれかで伝えることは違ってきます。
尋ねられた先生の意図は分かりかねますが、ここではスタンダードに
木版画を初めて使う場合ということで、考えてみました。

ひとつの題材を記録していたことがあったので、読みやすいようにそれをまとめました。
参考になれば幸いです。題材はご自分の学校や学級、子どもの実態に合わせるべきです。

2010年 4年生実践シリーズ

初めての木版画1 題材・下絵



初めての木版画4 彫りの基本

初めての木版画5 丸刀・平刀

初めての木版画6 三角刀・切り出し



自分の記録と思ってまとめていたので、他人からはよくわからないところもあるでしょう。
その点はご勘弁を。
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by saibikan | 2014-11-03 15:32 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q2〜評価の方法

ちょっと間があいたが、図工授業のQについて再び考えよう。
今回は 評価 あるMLで質問を受けたので自分なりにまとめてみた。

どのようにして図工の評価をするか(方法論)。よく質問を受けます。
次のようなことの中から、題材によって、組み合わせて行います。
いつもすべてをするわけではありません。

1 活動の見取りと記録(3段階で、◎と△の児童だけチェックします)
2 活動の画像記録(今日は特に工夫している子どもと工夫をと決め、
          見つけたらデジカメで写真を撮ります)
3 対話と記憶・記録(授業中活動が停滞している子ども、悩んでいる子ども、
          と話して課題や成長を頭にインプットし、必要があれば、
          あとでノートに記録します。)
4 発想メモ、アイデアメモ(言葉でも絵でもいいと言います。書けない子どもとは対話。)
5 自己評価カード(めあてに対する評価を単純に4段階でつけさせ、一言 がんばったことよかったこと。)
6 作品(作り始め、途中、完成と見ていくと、その子なりの工夫が見えます。)
7 作品の「発表と鑑賞」会(方法はいろいろあります。)
8 題材(単元)終了後の振り返り感想

図工の場合、その場では子どもの間を動いて声をかけたり、道具の使い方を教えたりすることが多いので
私の場合、評価ファイルを持ってチェックすることは少ないです。むしろ授業中はデジカメと記憶を多用し、
あとで記入していく感じです。
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今回は評価の「方法」的なことでしたが、評価については「内容」的な質問も結構ありました。
それはまた次の機会に。


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by saibikan | 2014-11-02 22:10 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q1〜人物描写の仕方②


図工授業で知りたいこと、質問Q1  人物描写 に対して

②人物描写力をつけるために

では人物描写を「形をとらえて」(線描)の視点で、自分なりに考えてみます。
そもそも、人間は関節がいくつもあって、人の状態を正確にとらえて書き表すのは
かなり難しいです。先ほど述べたことからも低学年の子どもに無理な要求は
できません。3年生以上でも人物をあまりにも写実的に描かせようと
教師が必死になればなるほど子どもの自信を喪失させ、絵嫌いを生みます。

とはいえ、子どもが自分なりに人間をとらえて描き、満足するような
基礎・基本の描画力を少しでも付けてやりたいものです。そこで
大きな画用紙に時間をかけて描くような題材でなく、数時間でよいので
B4の画用紙にクロッキーをするようなミニ題材を取り入れることが
いいのではないでしょうか。
ねらいをもって、人物の格好の題材を与えて描かせてるのです。

最大の壁は時間でしょうが、クロッキーは短時間でよいのです。
たったの15分を3回しても1時間分。されど15分、1時間ですよね。
そのようなクロッキーなど基礎・基本スキルをする時間を生み出すには
各学校で教育課程や図工の年間指導計画の工夫をするしかありません。
授業の工夫でもよいです。それには次のような方法が考えられます。

1 クロッキータイム等、朝の時間の活用などで設定する。(校長・教務の同意)
2 年間指導計画の工夫で、全学年図工授業の中で基礎・基本として
  クロッキーをする時間を年数回、ミニ題材として設定する。(図工主任の計画)
3 題材内の指導時間を工夫して、基礎・基本スキルを身につける活動を
  絵画題材内に取り入れる。
  (担任の計画)
  
1は、なかなか難しいという場合、とりあえず2か3でやりましょう。
学年1時間だけ人物描写のクロッキーをすると考えた場合(15分×3回など)
荒木先生のクロッキー指導資料をもとに、自分でも、学年の系統性を考えてみました。


1年生
①形にこだわらず、遊んだことを描く。(思い出して思い切り)
②先生の顔を、正面から描く。(1本線・かたつむりのように・けさない)
③立っている先生を、正面から描く。(体全体をとらえるように。顔はあまり考えない)

2年生   
①友達の顔を正面から交代で描く。
②友達を顔と肩を横から見て描く。(横から見るときの鼻や目の位置に気付く)
③いすにすわって机の上に手を置いている友達を横から見て描く。
 (うでが出ているところやひじの曲がり)

3年生 
①友達の横顔をかく。
②いすや床にすわっている友達を横から描く。(腰とひざの曲がりに気をつけて)
③走っているポーズの友達を前から描く。(曲がり)

4年生
①手を描く。(グーチョキパー)
②床に座ってあぐらをかいたり横すわりの友達を前から描く。
③ボール(ラケット、バット)を手にしてスポーツをしている
 ポーズをとった友達の体全体を描く。(かまえ)

c0052304_15455654.jpg5年生
①手を様々な方向から描く。(いろいろな形)
②ぞうきんで床を拭いている友達を横から描く。
③くつひもを結んでいる友達を前から描く。(しゃがみ)

6年生
①はさみを持ったりえんぴつを握っている手を描く。
②片手をほほに当てた友達を前や斜めから描く。
③後ろを振り返る友達を後ろから描く。(ひねり)


これは構想です。現実にはないものです。一つのアイデアです。
一年生から系統的にやってみたら・・・という考えで、15分ずつ3回やってみたりと工夫したらどうだろうというものです。担任なら、このような中から自分の学級や学年の実情にあうものを選んでみたり、組合せを変えたり内容を変えたりしてみるとよいかなと思います。実際にやってみて自分の学校に合ったものにできればいいですね。

私自身そのように系統立ててやったことはないし、これがうまくいくかは分かりません。ただ、自分のこれまでの授業の経験と先輩方の資料や話から考えてみたことです。

線の強さや太さについては指導者が場に応じて教えなくてはなりません。
荒木先生の教えてくださった、円を2つ描いて「どっちかが鉄の玉で、どっちかがシャボン玉」の指導は単純明快でした。ちょっとしたことで子どもの心に入る線描指導。自分もそのような物がつくり出せればいいなあと思います。

クロッキーの場合どこから描くかもいろいろ試してみることです。
例えば2年生②の横から見た椅子に座っている姿は、初めて関節を意識させるので
腰や膝から書き始めてみるといいかもしれません。

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注意してほしいのは、実物そっくりの形に描くことを要求しすぎないことです。教師があまりこだわると、子どもは自信を失い、絵嫌い心を生んでしまいます。

慣れないと体がいびつになったり、途中で終わってしまうかもしれません。最初はそれはそれでよいのです。人の姿を見る力と、どうなっているのかと考える力、それを紙に表す力、を少しでも養うと考えて、楽しく書くことが大事です。そういう気持ちを子どもに持たせるのは、図工教師として力というより、日常の教科指導や学級経営力からくるものです。

集中して線を大切に描くことを伝え、そのことができたらまずその態度を
ほめましょう。そして時間内に書き終えたらそれをまたほめましょう。
その上に表現が豊かであれば、そのよさを認めましょう。



人物描写だけでなく、他のものを見て描くクロッキーも取り入れた方が
効果は上がるでしょう。
例えば低学年では、葉っぱ、生き物など。
   中学年では、やさいやくだもの、花など。
   高学年では、くつ、ランドセルなど。
時間はあまりないでしょうから、どうつくり出すかが担任の工夫です。
(慣れてきたら5分間クロッキーを継続していれるのも手です)

画材は、低ではパス、コンテ。中からはサインペン。高では墨も。

ここでは学年毎の「よく見て描くこと」のめあては省いていますが
いずれそれも合わせて、「形をとらえる学習指導」としてまとめたいと思っています。

以上、クロッキーで人物描写のスキルを育てるという方法で考え、述べてみました。

他に、何かこういう方法があるよ、という方がいおられたら遠慮なく教えてくださいね。

                                西尾KAN

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by saibikan | 2014-10-21 05:40 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)

図工授業Q1〜人物描写の仕方①

図工授業で知りたいこと、質問Q1

シンプルな質問がありました。
「人物描写の仕方」

描写とはー

描写=えがきうつすこと。特に芸術的表現において,客観的形象・事態・感情などを絵画・言語・音楽などにより的確に描き出すこと。 (大辞林)


上記をもとに、小学校図工での「人物描写」を分かりやすく言うと
「人物の形や状態、気持ちなどを、絵画で、確かに描くこと。」
となります。ただし描き手は小学生、1年生から6年生まで幅広く、
発達段階があります。個人差もあります。
学年に応じた目標を設定し、それに応じた指導と支援が必要になるでしょう。。

それに描写は「形」と「色」で表されます。
経験上、人物描写で困り感を感じるのは、先生方の場合、形のとらえ方が多いでしょう。
そこで、ここでは「形」に絞って考えてみます。

岡山大学准教授の大橋先生が、数年前、熊本で講演されました。
その時、私が聞いて、メモしているのは次のようなことです。
「乳幼児が描いていた、人を表す◯(つながっていないまるの形)が、三歳になると、その◯(まる)が綴じる。子どもは顔だけを描いているようで全体を描いている。小さい子には、お母さんの顔が全身であると感じている。やがて視点が広がるが、頭と手しか見えてない。だから頭足人を描くのだ。それは自然でありおかしいことではない。それが年齢が上がるにつれ体や足が見えるようになる。」
逆に言うと、幼稚園ぐらいの子どもたち全員が、
写実的な絵を描くのは本来の姿ではないのでしょう。
そう考えると、小ちゃい子達の絵って本当に楽しいんですよね。
何を表しているのだろうと考えるとうきうきします。

熊本大学名誉教授で彫刻家の石原昌一先生は次のように、よくおっしゃっていました。
「子どもには「9歳の壁」がある。幼少の頃の子どもは、形を大人のようには、きちんととらえられない。9歳ごろになると、物を写実的にとらえて表そうとし始める。そういうときに物を見て描く指導をきちんとやれば描写力はぐんぐん伸びると。」
9歳と言えば,小学校中学年ですね。
低学年(2〜3年生)が描いた絵には、見てとらえられるているなあと感じる絵と
何を表しているのかな?と考える楽しみがある絵が混在している場合があります。

熊本県市の図工美術教育研究会の顧問である荒木俊博先生からは
次のような話を何度も聞きました。
「感動したことがあったときに、見て描くことを一斉に指導すれば描写の表現力がぐっとつきますよ。リコーダーを初めて手にしてみんな練習し、『ソ』の音が吹けるようになった時、子どもたちが描いたのがこれ。3年生だよ。」

と、見せてくださったのが「リコーダーを吹く自分」。
どれも指がどっしりと描かれ、口や目が一生懸命な様子の絵。
形をしっかりとらえられています。
感動という体験が、写実的にとらえようとする気持ちを一気に湧き起こし、
表現という行為につなげたと感じられる絵です。

以上のことを考えながら、学習指導要領を今一度読んでみると、
「見たことを表す」という表現は3・4年生の段階から出てくることに気付きます。
子どもの発達段階を考えてあるのですね。
(1・2年生は「感じたこと・想像したこと」だけです。)

「どんな形をしているのかな。」
と形の特徴を見つけ、
「ゆっくりと、いろいろな線を使って」
と形の特徴を表していく指導を、3・4年生でしっかりすることがよいでしょう。

とはいっても個人差はあります。小学校低学年ぐらいであれば
ものを見てしっかり描く子どももでてきます。だから、
見て描くことを低学年でやってはいけないということではないでしょう。
手元に、荒木先生からいただいた資料があります。現役の頃実践されたものですが、
今でもとても参考になります。そこには、絵を描くめあてとして「よく見て」は
たしかに3年生からに示されています。
荒木先生も、低学年には思い切り描くことが重要とおっしゃっていました。
しかし低学年の資料に「ものを見ながら描くことに慣れる」と示しておられます。

個人差を考え、見てとらえて描く力のある子を伸ばすという意味では、
1、2年生でも「見て描くのに慣れる」活動をすることもあるのです。
もちろんそこには、何をねらいにして,どんな活動を仕組むかが大切となります。
例えば、子どもに、描く対象物をよく見て描く態度を育てるため、
子どもがふれあって育てている近くにいる生き物をかく活動を仕組み、
「足はいくつあるのかな?」
「どっちの花が大きいのかな?」
「葉っぱはどこについてるのかな?」
と声をかけて、ものをしっかり見よう、という気持ちを持たせることからもできるのです。
でもこれらはあくまで一例です。
優れた教師は、学級や子どもの実態に合わせた、工夫ある活動や言葉を生み出します。

西尾KAN

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by saibikan | 2014-10-20 23:04 | 図工室経営・図工美術論 | Trackback | Comments(0)


アートな授業作りに臨む日々。ICT活用や美術館活用、問題解決学習。思考力と心。基本アナログ。ADEでランナーでもあるさいびかんのblog。


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カギコメ様 了解です。..
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