カテゴリ:ソーラン節( 6 )

老体に鞭打ってソーラン踊る

今年異動した学校で、ソーラン節を踊ることになった。
その指導を任された。
運動会まで後1ヶ月。

初日。体育館ステージに巨大スクリーンとプロジェクター。80人の子どもはフロアで並ぶ。
まず、イメージ化のために若者が踊るソーラン映像を見せた。子どもたちは、激しい動きと生き生きした表情に食い入る。

次に「ソーランの基本」のみをまずできるようになれ、と言った。
足を開き、そのまま腰を落とし、太ももが床と平行になるように。自然と足が開く。背筋をまっすぐして、片手を突き出し片手は腰。それを10秒間。ただそれだけ。それを何度も繰り返す。当然、自分でも見本をしてみせながら。

そして再び、スクリーンに注目させた。
「次は小学生向けの動き。先ほどの学生さんたちほどは激しくないが、動きは同じ。」
と言って、PC上で動画を再生。ソーランの音が流れ出す。
「あれ?」
ざわめきが起きる。ステージ上にいる人間とスクリーン内の人間が同じだから。子どもたちは、不思議な微笑みを浮かべながら、画面を見ている。1連の動きを見終わってラストのシーンで大きな笑い。

最後に「とにかく真似して1度踊ってみろ。」スクリーンには、子どもと向かい合った指導者の映像。その横に生で踊る人間の後ろ姿。老体に鞭打ち、私は踊った。子どもたちは両方を見ながら、やりやすいほうに視点を向けて踊らせた。できなくていいのだ。この日はああ、こんな踊りかと体感できればいい。実は過去に1度経験したことがある子どもたちだから、その時のソーランと違いにも気付いてもらえたらよかった。
1時間終わって、楽しそうであった。やる気が出たようだった。最初の時間はこれでよい。

実は・・・案の定、踊っている途中で太ももにきた。終了後、太ももがつったが、見抜かれないように堂々として終わった。
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by saibikan | 2016-09-10 05:55 | ソーラン節 | Trackback | Comments(0)

久々のソーラン節で腰が・・・

4年ぶりにソーラン節を指導した。
3・4年生の種目だが、第1時は4年生だけの授業。

「どれだけ踊れるかして見せて」
と曲を流して、子どもの動きを見る。

彼らも全体的に
「あれ、どうだったけ?」
「忘れちゃった」
といいつつもポイントとなるところは体にしみついているようだ。

「上手だねえ。さすが。でもね。ソーランは腰をもっと落とさなくちゃ。」
そういって基本の動きをしてみせる。
子どもは目を丸くしてみている。
多分僕がここまでやるとは思わなかったのかー

「先生、腰は大丈夫ですか!?」
なんと、こっちの体の心配をしていた。
優しい子供達なんだな・・でも
「年寄り扱いするんじゃない!」
と返して若々しさをアピール。

そのあとスクリーンで見せながらとにかく1回一緒にソーランを踊った。
はあはあ息がきれる。やっぱりこの踊りはハードだな。
「じゃあもう一回やってみるか。」
腰を落としてPCの映像を再生しようとした時
  ゴリ・・・
「あたたた・・・」
ステージで思わず腰を伸ばした僕を見て、子どもたちが
目をまん丸くして、思わず笑いも。

このときは「大丈夫ですか!?」じゃなくて
(言わんこっちゃない)
の眼差しだった・・・。

でもまあ、筋肉がつった程度、
ギックリ腰の手前ぐらいでやめたので、ちょっと一安心だったがー
やっぱり無理はいけませんや。

(写真は直接本記事とは関係ありません)
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by saibikan | 2015-05-09 07:53 | ソーラン節 | Trackback | Comments(0)

ソーラン節の指導を見る楽しさ

両足の内ももが痛い。早くも痛みが来たか。年か。いや痛みが早く来るから若いのか。
原因は「ソーラン節」
今週から,学年で運動会の練習をスタートさせた。
約20日後には新天地での運動会なのである。

この学校では、最近は中学年で昨年ソーラン節を踊っているという。
中学年部の話し合いで、自然に「今年も」となった。

「ソーラン節」と聞くと体がうずく。

これまでの教員生活で、何度、このすばらしい踊りと、
それを通した子どもの成長に出会って来たことか。

ああ、ソーラン節をするならひょっとしたらまた指導をするかもしれないな、
そう思った。だが、同学年の教師の中に、指導できる人物がいた。
やる気満々、アイデアもある!ただ踊るだけでなく、創作もしてある表現。
指導力もある。これから子どもの成長する姿が目に浮かぶようだった。


「任せる」
私は言った。今回は、後輩とも言える同僚の「ソーラン節」指導を
支援する役割に徹することにした。音響係・映像係・DVD係である。
しっかり指導する他教師の姿を見るのも楽しいものである。
子どもの変化も客観的に見れる。

とはいっても、もちろん自分も子どもたちとともに踊る。
練習の中で、おもに子どもたちの後ろでたまに踊る程度だが、たまには
真ん中や横に来てさりげなく踊っている。
口では指導しないが、後ろ姿で指導をするのである。
それでも楽しいし、全体的には任せているので,気分的には楽だ。

ちなみに、使っている曲は、あの金八先生で踊っていた「南中ソーラン」の曲。
前任校で、私が担任時代とそこから引き続いて専科をした時代のうちの前半の
計4年間、運動会で使っていた曲と同じである。

以前、日刊中高メールマガジンでも記事として寄稿したことがある。
以下である。
読んでみると,懐かしい。

ソーラン節に見せられて(前半)

毎回練習で流れてくるこの曲を聞くのも何とも懐かしい。
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by saibikan | 2011-05-11 23:21 | ソーラン節 | Trackback | Comments(0)

ソーラン3年目

私は担当でもなく担任でもない
だが2年前に指導したソーラン節は今年も
受け継がれている

ソーラン節に魅せられて(前編) 

ソーラン節に見せられて(後編)


ただし黒シャツに代わり
燃える火の国を象徴する赤に変わっている
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一生懸命に踊る姿はいつも変わらない
私はそれを遠くから見守る

後ろの風景も日々変わる

今は、空高くそびえ立つ東横インと
北へ北へと延びてゆく工事中の新幹線鉄道を
バックに演技する
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3年もすれば風景はさらに大きく変化する

その時までいるだろうか・・?

さて今日は運動会前日
最後の練習とと準備の日
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by saibikan | 2007-09-29 06:59 | ソーラン節 | Trackback | Comments(0)

◆ソーラン節に魅せられて(後編)

日刊「中高教師メールマガジン」に掲載(10月)
■ 「子どもたちのアートワークス」(18)
◆ソーラン節に魅せられて(後編)

突然「MATRIX RELOADED」が流れる。私の目覚まし用の曲だ。布団の中から右手を伸ばして黒い携帯をカチッと開き、無造作に番号ボタンを押す。瞬間、賑やかな音楽が消える。
 「もう朝かあ」

 まだ外は暗い。だが、起きなければ。思い切って掛け布団をはねのける。寝ぼけ眼で立ち上がり、寝癖のついた頭の後ろを掻きながら洗面所に向かう。灯りをつけ、冷たい水で顔を洗って、やっと頭の中が半回転。タオルで強く拭いた顔は真っ赤だ。

 リビングに行って、手にするのはビデオテープ。背表紙に「金八ソーラン」とタイトルがついている。数年前、知り合いからいただいたもの。 

デッキに静かに挿入。テレビのスイッチを入れたあと再生ボタンを押す。ややノイズがある。テレビ番組を録画したもので、何度かダビングされているらしい。

 画面に、毎朝見慣れたシーンが映し出される。私は思わずあいさつをする。
 「おはよう、金ぱっつあん」
 武田鉄矢が川の土手を上っていく。彼が見下ろした河原には、多くの中学生が集まっている。そこに黒い服を着た後ろ姿の上戸彩が歩いて行く。仲間から長い法被を手渡され、勢いよく体にまとう。彼女が振り返ってこちらを見た瞬間から、曲が流れ、私の朝練開始だ。

 「さあやるか。」
 狭いリビングの床の上で、私は腰を落として手を突き出し、波を小刻みに表現する。テレビ画面の中学生の動きを見ながらの練習だ。

 25拍目からは網をたぐり寄せる動作に入り、手と体を上下に伸ばす。その後は、勢いよく綱を引く体勢だ。右に左に見えない綱を引きながらぐっと腰を落とさなけらばいけない。しかもかなりのスピードが要求される。朝起きてすぐだから無理はせず、1回目は軽く流す程度だ。

c0052304_19154095.jpg だが巻き戻して2回目からは、全力で踊る。動きを覚えるため、必死でテレビ画面を見ながら。それでも細かい動きが分からないことがある。何度も何度も一時停止したり、少し巻き戻しをしながら練習する。いつのまにか汗だくだ。


そのうちに外が明るくなってくる。そうすると、私の朝練も終了だ。家族もやがて起きてくる。シャワーを浴びて出勤準備となる。

 これが2学期になってからの私の日課であった。もちろん、9月末の運動会までのことだ。

 学校でのソーラン節の指導には、プロジェクターとスクリーン、そしてビデオデッキを利用した。これらの機器を体育館に持ち込んで、映像を子どもたちにも見せたのだ。
最初に映像を見たときの子どもたち(5・6年生67名)の反応は、
「速い!」「はっぴが、かっちょいい」「金八先生の顔がおもしろい」「むずかしそう」「お
ぼえきらん」

 まあこれが小学生の素直な感想だろう。中にはぽかんとして、画面を見ている子もいた。

 だが、練習が始まるとけっこう喜ぶ。私が覚えている基本的な動きは、一つ一つ確実に押さえていく。動きが速いところや全体の流れは、何度かスクリーンに映し出された映像を見ながら、子どもたちも踊る。これを繰り返すと、しだいに頭の中に、ソーラン節がイメージ化されて、体にも動きが染みついていくようであった。


 しばらくすると、子どもたちからこんな声が出始めた。
「先生、はっぴは着ないんですか?」
 そう、当然出るべき質問であった。以前勤めていた学校には、備え付けの法被があった。またある学校では、いろんなところからかき集めてバラエティに富んだ法被で演じていた。ビニル袋に絵を描いて、手作り法被を作るケースもある。だが、私はこう答えた。
「はっぴは着ないよ。黒いTシャツと青いはちまきだけで踊ります。」
「??」
子どもたちにはイメージが湧かないようだった。もちろん私も初めてなのでどのようになるかは分からなかったが。

「みんなの場合は、ソーラン節と組体操を組み合わせた団体表現だから、動きやすい服装がいい。すべったりしたら危険だからね。それに3,4年生が(他の踊りを)はっぴを着て踊るから、5,6年生は(はっぴを使わず)体の動きで勝負だ。その代わり、体育服だけではちょっと寂しいから、黒いTシャツと青いはちまきは使おう。黒はみんなの雰囲気を引き締めるため、青いはちまきは海をイメージするためだ。」

 黒いシャツを運動会で使うのは、かなり早くから連絡していたので、各家庭でどうにか準備はしてもらっていた。ないところは、こちらで用意をした。ただし黒シャツをソーラン節に使うことを子どもたちが認識したのは、この時初めてのようだが。

 青いはちまきは、風になびくように大きく広く作ることにした。縫う必要はない。ぶつ切りでいい。しかしその分、かなりの量がいる。大きさを決め計算すると、6年生だけでも18m(幅90cm)の布が必要なことが分かった。私は市内の手芸店巡りをし、青い布を捜し回って手に入れた。そしてサンプルを作ると、学校で子どもたちと一緒に裁ちばさみで切り取った。

 運動会もあと数日に迫った。私はもうほぼ完璧に踊りを覚えた。子どもたちはまだ、不十分ではあったが、一度全員が、衣装を身につけて(といっても黒いシャツに青いはちまきだけだが)運動場で踊ってみることにした。 「どっこいしょ!ソーランソーラン!」の声が、いつもより気合いが入る。

「なかなか黒だけってのも、いいですね。独特の雰囲気がありますね」
 眺めていた同僚の先生が声をかけてきた。たしかに、私も、今まで数年間やってきたソーラン節との雰囲気の違いを感じている。当然だ。

 
c0052304_19564569.jpgやってみる前は、「マトリックスのエージェントスミス」のような異様な感じになるかも?などと自分で勝手な想像もしていた。だが目の前の子どもたちが、全身で表現している黒の集団の雰囲気は・・・そうだなあ、二十年ほど前の、一世風靡セピア風?それにちょっとだけ近いような気もするー。

 たぶんそんなこと誰も思わないだろうな、と苦笑いしながら、私は子どもたちを眺めていた。


 さて、運動会当日は快晴。朝から元気のいい歓声が秋空に響いていた。6年生が描いた入場門の絵も、運動会に彩りを添えている。そしてその入場門の周りに黒ずくめの集団ができはじめた。いよいよ、5,6年生の団体表現「海、そしてソーラン」の始まりである。

 音楽が鳴って入場、ソーラン節の前に簡単な組体操の技を披露。まずは4つのグループに分かれ手をつなぐ。運動場に波打つ黒と青のアート。続いて全員の背支持倒立。漁への意気込みを表現している。そして二人組で倒立、肩車、サボテン。
大漁旗が立ち上がり、風になびくイメージだ。大技はないが、きっちりと確実に仕上げた技に会場が静まりかえり、やがて大きな拍手。

 特に倒立は、昨年は、倒立をする者と支える者に分けていたが、今回は交代で全員に挑戦させた。だから、ずいぶん倒立にかける意気込みが違った。休み時間に何度も練習していた。本番で、教師の支援のもとではあったが、これまでできていなかった子たちが成功した。
 
 そしていよいよソーラン節である。激しい音楽のリズムが鳴り出すと、一瞬会場がどよめく。黒服の子どもたちが前に後ろに、右に左に動くたびに、頭に付け変えた青いはちまきが大きく揺れる。アップテンポの曲だけに、かなり速く激しい動き。会場の多くの観客も目を見張る。しかし子どもたちはもう遅れることはない。

 「基本的な動きを間違ってはいけないが、あとは自分の体で自分なりの精一杯の表現をすること。ただし本番は何が起こるか分からないぞ。集中することを忘れるな。」
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 みんなにはそう言い聞かせてきた。
 練習中どうしても動きがワンテンポ遅れ、間違えやすい子がいた。しかも本部前の一番前。私が前で踊るから、と安心させた。

 本番は、どの子も一生懸命。必死のエネルギーが運動場のフィールドから伝わってくる。これまでの練習の成果だろう、どの子も間違えない。本部テントの前で踊っていると、観客の感心と驚きの雰囲気を背中から肌で感じた。

 踊りが始まって約3分、ソーラン節もしだいにクライマックスに近づいた。
 「?」
子どもたちの目線が私に集中している。なんだ?
「あ、間違えた!」

 そう叫んだのは私だった。自分自身が一つ動きを飛ばしていた。顔をしかめて、すぐに動きを子どもたちに合わせた。にやりと笑う数名の童顔。だが、また真剣な眼差しが全員に戻る。

 そして、ラストが近づき、黒い波が寄っていく。最後は全員が集まって「やあ!」と片手を挙げたポーズで決まった。


 運動会が終わって教室で、子どもたちに小学校最後の運動会でのがんばりをたたえた。彼らはとても満足感を持っていた。組体操やソーラン節も精一杯力を出し切ったと話していた。感想を言い合っている時、一人の男の子が 「へへ、先生、ソーラン節の時、間違えたでしょ」
 と私に声をかけた。私は
「そう。本番では何が起こるか分からない、っていつも言ってただろう?」
と平然と答えた。
「でも、さすがにあの時は、あせったよ。」
と続けると、皆がどっと笑った。


*******************************************************************
 せっかくこれだけ練習したので、機会があればまた踊ろう、と子どもたちには話しています。そして、今度は、自分たちで布を縫って手作り法被を作って、それを着て踊れたらいいね、とも。
 今、6年生は、家庭科でミシンを使ってエプロン作りをしています。その学習を生かせば、できそうなのですが、さて、どうなるでしょう。
 なお、今回の運動会での画像は以下にあります。どうぞのぞいてみてください。
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by saibikan | 2005-12-28 23:57 | ソーラン節 | Trackback | Comments(2)

◆ ソーラン節に魅せられて(前編)

日刊「中高教師メールマガジン」に掲載(10月)

■ 「子どもたちのアートワークス」(17)

◆ ソーラン節に魅せられて(前編)

 私は、8年ほど前から、運動会の団体表現にソーラン節を取り入れています。
なぜ九州なのに北海道のソーラン節?と言われそうですが、やったことのある
方なら分かるでしょう。日本のよさや踊りのよさを体感でき、体力もつく、いい
題材なのです。遠い地域のものでも、いいものはいいものとして取り入れます。

 さて、今回は、私がこれまでの教員生活で「ソーラン節」と出会ったり関わっ
たりしたことを書き綴ってみます。当然実践の中心は体育の時間です。

 今までと違って、図工・美術という視点とは多少離れていることを、まずは、
お許しください。それとともに、私が、学校で出会う子どもたちの姿や日常の
出来事を、「アート」という視点で見たり、追求したりしていることも理解して
くだされば幸いです

***************************************************************
ソーラン節の踊りを初めて目にしたのは、20年近く前。私が若手教師として
勤務していた、山の小さな小学校での運動会。ベテランのT先生の指導により、
低学年の小さな子どもたちが、少ない人数ながら「どっこいしょ、どっこいしょ」
大きい声を張り上げて、民舞「ソーラン節」を踊る姿に感心したのが最初の出
会いである。(民舞「ソーラン節」・・劇団わらび座によるソーラン節の唄と踊り)

 そして都市部の学校に異動してきた時、運動会で再度、民舞「ソーラン節」
に出会う。手作りの大漁旗とともに3・4年生の百数十人の子どもたちが入場
し、一斉に踊り出す姿は、見ていて圧巻。担当していたのは図工の専門家の
O先生であった。

 当時私は、高学年担任で体育主任。毎年、組体操と音楽を組み合わせた団
体表現の創作に没頭していた。しかし、いつか自分でも、ソーラン節をやって
みたいと思うようになったのだ。

 その後異動した前任校で、ついにその機会がやってきた。その学校の運動
会では、毎年、高学年が日本の伝統的な踊りを演技していた。5年担任にな
ったとき、同学年部の先生たちに迷わず「ソーラン節をやりましょう。」と声を
かけて取り組んだ。実際にやってみて思ったことは、やはり、「ソーラン節は
いいな」である。
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 子どもたちは必死で練習する。声を張り上げて、汗をびっしょりかきながら。
休み時間に学校内に響く「どっこいしょ」の声。家でも必死で踊っています、と
届く保護者からの便り。最初は腰を落とすことに抵抗を感じていた女の子た
ちも、少しずつ変わってくる。日がたつにつれ、腕や足が痛くなる子が増える。
しかし、踊った後に、何かしら爽快感のある表情を見せることが多くなる。そ
して、運動会本番では、それまでのがんばりの集大成として精一杯自己表
現し、多くの拍手の中で成就感と満足感を得るのである。

 指導者の方も必死である。わらび座のビデオを見て何度も動きを覚える。
覚えて演技の順番を指示するだけでは、踊りのよさが子どもたちには十分に
伝わらない。子どもたちの前で、生で、自分が汗をかいて踊りながら指導す
ることで子どもたちの目が変わってくる。(ただし、やせっぽっちの私だから、
限界はあると思いつつ・・・)

 私は「わらび座」公演を、実際に見に行ったことがある。前の方の席で間
近に見ることができた。ステージからびりびりと伝わる「ソーラン節」の生
の迫力。実にたくましい。役者さんたちの汗が飛んでくるようだった。同じ
動きをしながらも、一人一人が個性ある表現をしている。これを子どもたち
も伝えたいと思った。

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 今から3年前の運動会では、ソーラン節の前に組体操も取り入れて5・6
年合同の団体表現「海、そしてソーラン」を実践した。まずは、和太鼓が得
意な子どもの見事なばちさばきの音がグランドに鳴り響く。やがて門から駆
けてくる数人の子どもたち。手には長い青竹。竹の先には、クラスごとに制
作した大漁旗が、勢いよく風になびいている。続いて、青い法被に捻りはち
まきのたくさんの子どもたちが、「やあ!」のかけ声のあと、側転をしながら
入場。「海」をイメージした組体操の技を演じた後、最後に「民舞ソーラン節」
で締める、という流れ。終わった時の子どもたちの表情を見た時は、自分自
身の中に何とも言えない喜びがあった。
 
 そして翌年、彼らが6年生になった時、授業時数確保の意味から運動会練
習の時間が以前より制限された。高学年の表現も6年生だけになった。2ク
ラスしかない。運動会の話し合いをしている時、同学年のJ先生から、
「新しいソーラン節をやってみませんか?」
と提案があった。
「どんなのですか?」
と首をかしげる私にJ先生は
「ほら、金八先生のドラマで中学生が踊っていたやつですよ。曲は伊藤多喜
雄さんという方が歌っておられて、私はCDを持っています。他の学校の運
動会で取り入れた先生がいて、実践されたビデオもありますから見てみませ
んか?」
「ああ、聞いたことはあるけど・・・」
 そのようなソーラン節があると、以前から話には聞いていた。しかし、私は
ここのところ金八先生のドラマを見たことがなかったし、民舞ソーランが自分
の中では正統派という感覚だったので、言われるまで頭になかったのだ。だ
から、どういうソーラン節か、想像もつかなかった。
「とにかく見ましょうか。」
 早速放送室に行って、ビデオテープを再生した。

 まずは、テレビ番組「3年B組金八先生」を録画してある映像。中学生役の
上戸彩(女優)を中心に子どもたちが長い法被を着て、勢いよく踊るソーラン
節が目に飛び込んできた。へえ~、とつぶやきながら画面に食い入った。見
終わった私から出た言葉はたぶん、次のような言葉だった。
「かっこいいなあ。でも動きが速すぎる。ハードじゃないですか?これ。小学
生の子どもたちが、この踊りのよさを表現できるかなあ」

 不安を口にした私だったが、心の中では興味も湧いていた。J先生から、
この踊りに取り組んで、荒れから立ち直ったという実在の中学校の話も聞き、
きっと子どもたちが得るものがあるなと思い始めていた。

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 次に、ある小学校の運動会で子どもたちが踊っている映像。その学校の先
生がテレビを見ながら、動きを小学生用に改良したらしい。
「こんな感じなら何とかできそうな気もするな。本校なりのソーランをやり
ましょう。じゃあ今回はJ先生にお任せします。ぼくは、子どもたちと一緒
に踊りながら覚えることに専念しよう。よし、決まり。」

 こうやって弓削小学校6年生で、新しいソーラン節に挑戦することになっ
た。だが、踊ってみると、見ていた以上にハードだった。J先生は、年齢的
に私とそう違わないが、やはりエアロビも経験があるというだけあって、よ
く動く。それにこの速い動きが、私にとってはかなりハードルが高かった。

 それでも子どもたちはさすがである。あの速い曲によくついていく。何度
も踊るたびに上手くなっていく。揃っていく。しかし、子どもにとって動きが
取りづらいところが出てくる。どうしても動きについていけない子どももい
る。そんな時はJ先生にちょっとストップしてもらって、相談しながら変えて
いく。しだいに、子ども一人一人の個性ある動きも見えてくる。

 久しぶりに後ろから指導に参加すると、また違う面が見えるのだなあ、と
あらためて思った。

運動会当日には、指導者二人とも子どもに混じって踊った。動きをまだ完
全に覚えきれなかった私は一番後ろで、ではあったが。子どもたちの生き生
きとした後ろ姿を見ながら踊るのも、なかなか乙なものであった。

 あれから2年、今度は現在の小学校で、同じソーラン節に挑戦した。今度
は私が担当として。その様子は次回(後編)に。  

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by saibikan | 2005-12-28 22:23 | ソーラン節 | Trackback | Comments(0)


アートな授業作りに臨む日々。ICT活用や美術館活用、問題解決学習。思考力と心。基本アナログ。ADEでランナーでもあるさいびかんのblog。


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