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歴史あるGF町パンフレット1

6年国語&総合的な学習の時間

国語の「ようこそ私たちの町へ〜町のよさを伝えるパンフレットをつくろう〜」で、子どもたちに「自分たちの町のよさって何だろう?」とたずねたら、「歴史や伝統があって古い建物が多いところ」「人が優しいところ」「小さいけど専門的な人気のあるお店が多いところ」と、昨年までの総合的な学習で体感してきた地域のよさをストレートに発した。
「パンフレット作り」は総合とも関連している。総合の1学期の単元は「町の歴史を調べて伝えよう」なのだが、今回は特に仕掛けなくても今の気持ちのまま関連できる事が分かった。

そこでパンフレット作りを子どもが調べたいと思った建物(店)や史跡をもとに調査エリアを7つ示した。そして3〜4人ずつのグループを作るように指示、各グループに分かれた。今の子どもたちのすばらしいのは、学習では自分たちで話し合いながらグループを作れること。これは他の学習でもそうだが、皆自分の希望を示しつつも、人数が多ければ誰かが「移ってもいいよ」と言って変わったり「誰かあっちに行ってもいいと言う人いない?」と互いに声をかけたりしていつの間にか決まって行く。「じゃあじゃんけんで決めようよ。」と言う場合もあるが、変わったからと言っていつまでもそれを引きずる事はあまりない。しばらくは不本意なグループで残念と言う顔をする場合もあるが、時間が立てばそれなりに協力してやっていける。

さて、今回も希望を生かしつつ、自分たちでなんとか7つのグループに分かれた。教師から見るとグループ編成的にちょっと苦労するかな?と思うところもあった。だが、今の状態ならなんとかやれそうと、子どもが決めた通りに活動することにした。「古い建物の歴史がありそうなお店」を中心に調べ、県外の人向けにパンフレットを作る。

1週間前の土曜日、訪問先をまず私が訊ね歩き、取材の許可を得た。そして水曜日に第1回目の取材。その日にいけなかった場所に金曜日第2回目の取材をした。2年前は歴史の分野別・史跡別で広範囲に渡る取材が多かったが、今回はあえて子どもが興味を示したお店で古い建物の場所を中心にして(それも2年前はあまり調べていない場所)、グループの調査範囲も地域エリアごとにした。
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いやあ、面白かった。子どもたちの感動がどのグループからも聞こえた。私も2、3のグループについてインタビューを聞いたり建物内を見せてもらったりした時、やはりここはすごい地域であると理解した。多くの歴史の宝があるすばらしい地域である。
子どもたちの今後の活動がますます楽しみになった。(続く)


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by saibikan | 2014-06-28 22:39 | 総合的学習・生活科・地域 | Trackback | Comments(0)

写真を板に〜フォトパネル製作


c0052304_11262676.jpg島田美術館。住宅街に佇む小さな公益法人の美術館。行きたいと思っていたがなかなか足を踏み入れていなかった場所。ようやく訪れる事ができた。
6月9日(月)午後6時30分。
6月の図工サークルの活動をこの島田美術館で。なんと贅沢。

今回は、サークル仲間と「木のワークショップ」の実技研修。
美術家の森英顕さんを講師に迎えて、写真を木の板に転写するアート。
デジカメの写真を活用し、15cm×15cmのフォトパネルを製作した。

作り方
1 写真を撮影。
2 写真をPCで左右反転に。
3 プリントした紙をカラーコピー(トナータイプのプリンタ)。
4 コピーした紙の裏に養生テープを貼る。
5 コピーした紙を木の板に貼る。(貼付ける接着剤はメディウム)
6 板と紙をしっかり擦り付ける。
7 24時間後に紙をはがす(スポンジやキッチンペーパーに少し水をつけてくるくると)。
8 完成(はぎ取ったあと表面をメディウムで塗るとよりきれいに)
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事前に写真を送っていたのであとは、プリントまでは森さんがしてくださっていた。
時間的な関係からこの日は6まで。
小さな見本で7と8を体験させてもらい、仕上げはそれぞれが我が家でそれぞれ行い、完成させた。
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我が家の壁に展示。写真は「水あかり」のものを使用。
みんなもできただろうなあ。見てみたいもの。

森さん、島田美術館様、ありがとうございました。


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by saibikan | 2014-06-22 12:05 | 図工サークル | Trackback | Comments(0)

つなぐ・つながる造形教育

第57回 熊本県図画工作・美術教育研究大会
大会テーマ「つなぐ・つながる造形教育」

今年から県でテーマを設定。しばらくは同じテーマで進める事になった。
「つなぐ・つながる」には多くの意味がある。

県の研究部長からは、
「基本的に作品と自分をつなぐことがある。」
という話があった。

それとともに、「つなぐ・つながる」は多くの意味を含む。
「図工・美術教育を推進する立場である私たちがつながる必要」
がある。まずは主催する市の会員や指導者の連携を強固にしたい。
また県レベルでの連携も大きな目標である。
さらに県大会であっても九州や全国とつながろう。
いやいや場合によっては海外の指導者との連携も。

また今、図工・美術教育を取り巻く課題として
「図工・美術と社会とのつながりを強固にする事」
も叫ばれている。美術館と、アーチストと。
さらに、科学の世界や文学の世界、音楽界、スポーツの世界とも。
いや日常の中にこそ、会社の中でさえ、アートとして様々な形で図工・美術教育は生きているはず。
つまり生きて行く上で、人生の中で、図工・美術の果たすべき大きな役割を我々は自覚し、発信すべきであろう。
そう考えていくと学校の中でも他教科とのつながりや学校生活の中でも意識して図工・美術を推進すべきなのである。

そこで研究大会としての「つなぐ・つながる造形教育」を市図美研としてどう捉えるか、
さらに噛み砕いて考えなくてはならない。研究局より提案した事は
「子どもを中心に据えて考えよう。
 造形教育を通して子どもを、何とどのようにつなげるか。何のためにつなげるか。
 造形活動を通して子どもが、どうつながるのか。どのような姿に育つことをめざすのか。」
である。理論を構築し、ゴールを明確にすることが、まず我々コアメンバーの使命。
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by saibikan | 2014-06-22 07:15 | 図工美術熊本県大会2014 | Trackback | Comments(0)

図工・美術の県大会へ向けて

本年度の図美研の県大会は、熊本市大会。
以前は郡市持ち周りで10年に1回ほどだったが、
途中で全国大会が本市で行われたり、県の組織をブロック制に移行したりして、
県大会開催の順番やあり方が変わってきた。

会員(教員)の減少や、組織自体がないあるいは極少人数というところもあり
大会開催についてはかなり差異がある。県大会のために招集されると言う所も。
熊本市とて、会員の人数は他に比べると多くはあるが、高年齢化が著しい。
授業者も役員も年齢があまり変わらないと言う事も多い。
しかも学校でもそれぞれそれなりの役や担当をして多忙である。
それでも役員が皆一生懸命に関わるのは、図画工作・美術教育を愛するが故だろう。

本年度を本市で開催と決まったのもほんの2、3年前で、
準備期間が短く、十分な用意ができていない。
だが、準備委員会が立ち上がり、事務局長のリードで組織として
活動が活発化し始めた。誰かが引っ張って行かなければ、このような
プロジェクトはうまく回らない。私も研究局担当として
できるだけ先を見通していろいろとしなくてはならないが・・・。
優先すべき学校の仕事が膨大でなかなか捗らない。
学校の仕事の合間に図美研の仕事もするが、心身ともに余裕も欲しい。
したがって週一は体を動かし、毎晩泡の出る潤滑油を投入している。
もっと映画を見たり読書もしたいが、その余裕まではあまりないのが残念・・・

県大会は平成26年11月21日(金)。あと半年を切った。

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★ これから時々、県大会に向けての情報を流します。
  ただしここは、あくまで、市研究局担当者の個人ブログです。
  公式なアナウンスは、県図美研のHPにて行われています。




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by saibikan | 2014-06-21 11:46 | 図工美術熊本県大会2014 | Trackback | Comments(0)

ボタンBの授業の素直な感想

研究授業や授業参観があった日「今日はがんばったから宿題なしだよ。」なんて事は言わない。そんな時でもきっちり宿題は出す。ただし「自学帳に今日の授業の感想を書いてきてほしい。」ということはある。今回もそう。そして、授業の可否を素直に書いてくれる子どもたちの存在がうれしい。こちらも勉強になる。

まずは自己評価で△をつけていた子ども。

「けんきゅうじゅぎょうはたくさんの先生がくるので毎回きんちょうします。ボタンBの作品を見て、何を表しているのかわかりませんでした。でんきゅうみたいなのをかぶってる人とかが何なのかわからなくてふしぎな絵と思いました。ボタンAはボタンBとくらべりとちょっとこわい絵だなと思いました。まんなかの人の頭がへんなかたちになっていて、でんきゅうみたいなのをかぶっている人はこっちを見ているようなかんじがしました。2つの絵を見て作者が何をつたえたいのかあまりわからなかったです。」

あまり文章を書くのが得意でなく、発表も苦手、でも授業中は手を上げて前に出て説明までしてくれた。きちんと作者の思いに絞って書いてくれている、しかも彼にとってはこんなに長く。それとうまくは表現できていないけど、AとBを比べて、Aの方が恐かった理由を彼なりに形に着目して一生懸命に書いている。真剣に勉強したこと教材と向き合った事が読み取れる。「わからなかった」のは、私の責任。

次は、この授業でよく発言し、友達の意見もよく聞いて考えていた子ども。

「『ボタンB』という絵をかんしょうしました。1番最初に感じたのは『怖い』でした。辺りが暗く何の絵か分かりませんでした。しかし頭からけむりが出ていたりするのを見ていると「原ばくなのかな」という思いが出てきました。この絵からは辺りが暗い事から、絶望・未来が見えない事を表しているのでは、と考えました。そう言う所を見て原ばくのおそろしさが分かりました。修学旅行の長崎は実物なのでもっと印象的だと思います。」

色からイメージを抱いている。こういう意見をもっと引き出すべきであった。しかも修学旅行とつなげて考えられている。課題意識が持てたということ。

3番目は、マイペース型の子ども。授業がつまらないとのってこない。この日は絵をずっと見続けていて絵の前まで来て指差しながらじっと見ていた。発言もあった。

「図工のかんしょうでボタンAとボタンBという絵を見ました。この2つの絵は (ここに簡単な絵が書いてある) 長さきと広島のげんばくのようすをかいていて、作家の知明さんもげんばくをたいけんしているそうです。知明さんはとてもおそろしいことがにどとおこりませんようにこの絵をえがいたのかもしれません。」
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誤って捉えた知識はあるが、この子どもの特筆すべきは、作家名をしっかり覚えていた事と、ボタンAとボタンBの違いを絵として表した事である。簡単な絵ではあるが2つの絵の特徴をしっかり捉えている。思い出して家で書いたというのに、なかなかすごいと思う。

最後は、この授業で全体では全く発言しなかったが、グループではよく話しており、原爆の恐ろしさに着目した書き込みで自己評価も◎だった子ども。

「今日の図工のかんしょう会はとてもおもしろかったです。なぜならこんなに深く作家さんの伝えたい事を考えた事がなかったからです。『ボタンB』は本人が戦争に行っているので、絵に引き込まれた感じがしました。原爆の勉強は修学旅行に言ったときにもやるのでもっといろいろな事を詳しくたくさん調べたいです。今度からも絵を見るときには作家の思いも感じ取りながら見るとさらに面白く見れてかんしょうもさらに好きになれると思うので、美術館に行った時は気をつけてみて行こうと思います。」

とてもうれしい感想である。鑑賞でめざす育てたい子ども像に近い。特に「美術館」という言葉がこのような感想として出てきた事は喜ばしい。

他の子どもの感想にも「作者の思い」のことが多く綴られており、子どもにとって、めあてが浸透していたと感じた。もちろん「発表をたくさんしてがんばった」とか「グループで話したことが楽しかった」という振り返り文もあったが、研究授業のことを、と言ったので当然。それでも全体的に「鑑賞の授業」としての学びがたくさん書いてあったことはうれしい結果だった。
私としては不十分な授業であったと思っていたが、それぞれの子どもの心には、何らかのメッセージが伝わっていた。



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by saibikan | 2014-06-09 03:36 | 6年図工授業 | Trackback | Comments(0)

ボタンBで考えた作者の思い

「ボタンB」鑑賞授業2014  6年生図画工作
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1時間の授業で、なるべく子どもの力で、どこまで思いを読み取れるか。なるべく教師の教え込みは入れず、考え話し合う中で。

まだ修学旅行に行っていない子どもたち。(本校は10月に長崎に行く)歴史でもまだ近代史の戦争の時代までは学んでいない。

そんな小学生がどこまでできるのかな?そう思いながら取り組んだ授業。



真髄まで行くには、やはり難しさを感じた。
しかし難しいからこそ次へのステップを考える意欲がわく。

子どもの感想から率直に受け止め、次へつなごう。

学習シートを読む。
「原爆の恐ろしさや苦しみ悲惨さを伝えている」というように
「原爆」という言葉を使っていた児童は21人(22人中)。
残りの一人も「一人一人の命を大切にする」という言葉でまとめてはいるが、
授業中の発言で
「浜田さんてどこの人ですか?原爆にあった事があるんですか?」
と積極的に発言しており、作者の思いを感じ取っている。

この作品はこれからの核戦争への恐怖を表している。
ボタンを押そうとしている3人の人物のポーズと関係、
そして3人のそれぞれの姿の表し方に作家の意図がある。
もちろんその根底には、広島や長崎の原爆投下という日本人の体験と
戦地に赴き苦しい思いをされた浜田さんの体験がある。
小学生には、後半の思いに触れられたら
本時のねらいは概ね達成と考えていた。
そしてもし、前半の部分を読み取る事ができる子どもがいれば
本時のねらいは十分に達成であると。

その意味では、全員がねらいは達成でほっとした。
では、それ以上に深く読み取る子どもがいたかどうかを検証する。

感想の他の部分を書き出してみる。
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3人の関係の表し方の捉えで最も多かったのは以下。
・原爆によって目が見えなくなったりやせ細ったりしているところを表している。
・放射能でやせて行く人の気持ちが表れている。
・目が見えない人や体の一部が亡くなった人たちの姿。
・右から順にひどくなっている様子。
というように3人を核戦争の被害者として表していると言う意見である。(約2割)

これは表現の意図とは若干違うのだが、意識とは関係なくボタンを押す立場の人もある意味戦争の被害者であろう。

また3人がつながっていると言う事から
・協力の大切さ。
・みんなで協力していくことで戦争をや原爆をなくすことを伝えたかった。
という意見が3割いた。
この絵の3人は、本来は上からの伝達と言うつながりである。
最も左側の人物には配線は頭を通らず、顔は隠れ、感情も意志も見えない。
中の人物は笑ってるように見えるが何となく悲しげである。
右の人物は子どもが気付いたように何故か体が大きく、違う椅子に座り
壁で体は後ろの世界にあり手だけを出す人物。頭の中には核の発射。
形上は協力してボタンを押している事になる。
この子どもたちは全く逆に捉えているのでうーん、と思ったものの、
むしろ浜田さんも、「人のつながりをこのようなことに使うのでなく
もっと平和的なつながりや世の人々の協力を」と言うメッセージを
含んでいるかもしれないと、子どもたちの言葉から考えた。

そんな中で
・このような事が2度とあってはならない。
・原爆の恐ろしさをより多くの人に伝えること。
・命の大切さを伝えている。
・原爆が落ちたその日に何が行われていたかを一人の目を人を使って表現している。
・原爆はこわい。このボタンはずっと続いて行く。被害にあった人たちの思いは
 ずっと続く。
・次世代の人たちに、原爆の恐ろしさや苦しさを忘れないように描いた。
というような作者の戦争に対する思いにかなり近づいている子どもたちもいた。
こういう子どもたちは、今日の授業の中では
十分に達成できたと考えてよいのではないか。(約3割)

「ボタン」という言葉を使っていた子どもはわずかに5人だった。
核戦争のボタンと捉えた子どもだけでなく、平和へのリセットボタンと捉えた
子どももいた。ああこのあたりをみんなで追究すると、この絵の本質にも
迫れたかもしれないと思う。
この作品の題名が「ボタンB」なのである。
やはり「ボタン」にこだわって見る事が、この作品の本質に近づくのかもしれない。

今回は、作品の本質に近づく子どもが少なかった事や
表現の意図を十分に読み取る子どもがあまりいなかったところに
私の指導の不備がある。
途中では「わからないあ」とずいぶん頭を悩ませてもいた。
課題作りや資料提示の方法などにかなりまずいところもあった。
だが子どもたちは、友達とかかわり合いながら、しっかり考え、
自分なりの考えを持ち、最終的には作者の思いを感じ取る事はできた。

本時のめあてに対する子どもの自己評価は次の通り。
◎ 15人
◯  4人
△  3人

思ったよりも「作者の思いをしっかり感じ取った」という子どもが多かった。
「作者の思いがまだわからなかった」(△)という子どももいたが
彼らもきちんと表現はできている。おそらく他者の意見でそうは思ったが
自分としては納得できる結果ではなかったということだろう。
それはそれで授業者としては参考となる

不足している部分は、次の時間に補っておこうと思う。
またできれば隣の学級では、今回の反省を元に他の方法で授業をさせてもらいたいと考えている。

こうやって振り返ると、子どもたちが一生懸命に学習ししていた事が
ひしひしと伝わってくる。私がもっとも学んだ研究授業だった。


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by saibikan | 2014-06-08 08:49 | 6年図工授業 | Trackback | Comments(0)

ボタンBの鑑賞授業2014

絵の鑑賞の授業。
以前は不完全な情報の提示(消去した画像や切り取った画像)から
入ることが多かった。それは子どもに考える視点を焦点化させ
思考する力を身につけるためだ。

10年前の授業もそうだった。
ボタンBも頭の上のものを想像させて出し合い、
それが原爆のキノコ雲であることを知り
そこから絵を読み取って行く方法。
最後に専門家の解説でまとめていく。
これはこれで面白い方法であった。
また絵を三分割して部分から絵を見せて行く方法もあった。
この先はどうなっている?と考え、期待しながら
絵をしっかり見て行く。

ただこの数年間で、私の中に、
子どもたちに絵を「ありのままに」出会わせることが大切ではないか
という意識が膨らみ始めた。
ただし旧態依然の鑑賞して感想を言い教師が説明するでは受動型すぎる。
また絵を前にして子どもたちが自由に対話をするだけではまとまとまりがつかず
全員の関心が持続しない。
そう考えたとき、絵と出会ったあと、子どもの気付きや疑問から課題を見つけて
そこを追究して行く中でめあてに迫ることはできないかと考えた。
難しい方法である。わずか1時間でどこまでできるか?という
不安があった。だからこちらでも課題をもって授業にのぞんだ。

導入で絵を見せる。わずか30秒。
第1印象は「こわい」「へんな人が描かれていた」「頭の上に煙のようなものがあった」
よく見えている。
本時のめあて『作家の表現への思いを考えよう。』を提示。
作品名:ボタンB 作家名:浜田知明 と知る。
「作家の思い?全然分からないよ。」
そうそれでいい。だからこそ勉強するんだ。
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みんなに再度絵を提示。
子どもたちの手元にも絵を与える(鑑賞ツールに入っていた三分割)。
グループで話し合いが始まる。気付きをどんどん言っている。?も。
気付き
「押すためのようなもの(ボタン)がある。」
「配線がある。」「電球みたいのものをかぶった人がいる。
「だんだん人が大きくなっている。」
「色も黒い感じからうすくなっていく。」
板書する。子どもは絵の不思議さに吸い込まれて行く

『何か課題を創ろう。疑問やよくわからないことはない?』
んー?子どもの思考が少し揺れている。
分からない事だらけだよ。子どもの顔はそんな感じ。

再度出たきたことを確認。人が3人いて、にたよう格好をしている。でも何か違う。
みんなボタンを押そうとしている。線がつながっていて何かをしようとしている。
うち一人は電球みたいなものをかぶっている。
「何をしているんだろう?」
うーん?? わからない・・・そんな感じ。
何とか読み解こうとしている雰囲気は分かる。

少し停滞気味の空間に、用意しておいた課題を示し学習シートを配布。
『絵をよく見てこの3人が何を思っているだろうか?
想像して、吹き出しに言葉を書いてみよう。』
愚かな発問とまずい学習活動の切り替えだった

これが子どもの思考と活動を遮断したらしい。
うーん、わかんないよ。何て書けばいいんだろう?書けないよ。
今までせっかく話し合いながら盛り上がりそうだったのに。
半分ぐらいの子どもからそう言うテレパシーが伝わる。
それでも挑戦させてみた。だが空白の子どもも多い。
全員が書けない状態でこの課題でストレートにいくのは難しい。

3人の言葉をもっと想像しやすくするために、という観点で
全体をフィードバックした。
「もっと気付きや疑問を出してみようか。」
安心したように子どもたちの中から様々な考えが出る。
「服の袖みたいな者が見える。」
「ん?これは壁じゃない?穴があいてる。」
「そうだ、こっちとこっちは世界が違うようだ。」
「なぜだろう。」
前に出て指しながら説明する子どももいる。
発表の合間に各グループで考え話し合っている。
全体とグループの対話が繰り返される。

やがて「煙が何か」という疑問が起こる。
「怒っているんじゃないかな?この人の怒りが前に伝わり、それがまた前に伝わる。」
「いじめの構造みたいに?」
グループで考えさせた。
あるグループから
「原爆のキノコ雲じゃない?」
という声が出た。
「あ、そうだよ。」
「そうだそうだ、見た事ある。」
「うーんそうかなあ??」

そのタイミングで
「実はボタンBの前に描かれたボタンAという作品があるんです。比べてみようか。」

「あーやっぱり原爆だ。」
「それにしても色が違う。」
「こっちの方が恐い。」

その後子どもたちは2枚の絵をじっくり見始めた。
対話も活発になった。

教師から、原爆の落ちた広島でこの絵を展示された事や
戦争に行かれた経験をもっておられる事、
熊本の画家である事等を話した。

時間も残り少なくなってきたので、作者がこの絵を書いた時の
気持ちと振り返りを書かせて終了。


その後の研究会ではいろいろと厳しいご意見も拝聴した。
「よくぞ子どもは45分間考え続けましたね。」
そう言う声もあった。
はたして今日の学習で子どもたちが何を学んだか
感想を読んでみたいと思った。

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by saibikan | 2014-06-07 13:06 | 6年図工授業 | Trackback | Comments(0)

校内研究が本格的にスタート

もともとは、校内研究の理論研の予定だった時間だが
何か授業を見て具体的な姿を思い浮かべて主題や内容の検討をー
と言う事になった。運動会1週間後となると誰も引き受け手がおらず
じゃあ今年もまた自分がやるよ、ということで、今までとは違う
図画工作でこれまでの研究の中身を取り入れつつ、新たな視点を
入れて書いてみた。全てを網羅した指導案を立てたので、当日は当然
授業の中でどこかを省かざるを得なくてはならないだろうとは思っていた。
ただし研究会の中で検討事項とするためには視点を書いておかないと
いけないし、授業でできなくても話し合いでできればいいと言う考え。
どの教科でもできるところを、という意味で資料も創ったのだが・・・・

話し合いが始まると、結局本日の図画工作の授業のみの検討会になってしまい、
自分としては苦笑い。もちろんそれもあったのだが、もっと研究の根幹を
話し合わなくてはならなかった。終わった後数人からそう言われて
提案授業を先にやってしまう事の難しさを感じた。あの場面は
ああすればどうだったか?妥当性は?・・・授業で語る事は大事だが
そのもとを全員が理解してないと肝心な所にいきつかない。
先に「研究部提案」の理論をもう少し話しておく事が必要だった。
「授業の主張点」から入ったのでどうしても授業オンリーの話し合い。

研究部の中では、うまくできない方が提案性があっていいんじゃないか?
という事前の声があったものの、他の職員にとってはそう言う意識はない。
授業の細かい手法の方へ目がいくものである。
だからこそもうちょっと研究部の打ち合わせをしっかりすべきだったが、
あの忙しいさなかでは、これが精一杯。まあできただけでもよしとしよう。

それにどんなに忙しくても提案授業でももっと練らなくてはダメだ。
これは自分の反省。授業の組み立てがまずかった。
その分、自分の授業作りの振り返ることはできる。
一番得したのは自分。そう思う事にする。




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by saibikan | 2014-06-07 09:51 | 6年図工授業 | Trackback | Comments(0)

ボタンB(浜田知明)を授業

浜田知明氏の「ボタンB」という作品がある。

c0052304_06474716.jpg10年近く前に、有志の小さな図画工作の研究サークルで浜田知明氏の作品を取りあげて鑑賞の共同研究を行った。メンバーの14人が低中高学年部会に分かれてそれぞれ題材の選定と授業作りに取り組んだ。

そのときに高学年部で題材として取り扱ったのが「ボタンB」だ。美術館との連携、ICTの活用など当時としては共同でかなり深く研究したつもりである。
その時の実践授業→子どもたちのアートワークス「ボタンB」 写真は平成17年の夏


今回は図工美術の研究として、というより、本校の校内研究のテーマに合わせて図工の側面からというスタンスで鑑賞授業をすることにした。6年担任であるということ、運動会の1週間後で準備期間がほとんどないということから、依然扱った題材を使うことにした。わずか数日間でこの「ボタンB」をする事を決め、校内の先生方へ公開した。

題材を決めてから1週間で指導案を書き、教材研究をすると言う、かなり無茶な授業ではあったが、やれば多くの事を得る。なかなか思い通りにはいかない面もあったが、とても学び多き研究会だった。少しでも記録に残し、今後に役立てたい。


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by saibikan | 2014-06-04 06:55 | 6年図工授業 | Trackback | Comments(0)

応援団物語11 優勝は全員の心

閉会式。

ラストの紅白代表リレーは、完全に赤の勝利。
白のそれまでのリードが保てるのか、はたまた赤の逆転か。
結果が全く分からないまま得点発表の瞬間を迎えた。

採点係の代表が指令台の上へ。
「赤694点。白713点・・・」
その瞬間、白から「やった!」の歓声。赤から「あー」のため息。
「よって優勝は白組です!」

団長のF君から笑みがこぼれた。

c0052304_23203245.jpg「優勝旗授与。優勝白組。」
のアナウンスに
「はい!」
最高に大きい返事。
「見よ 勇者は帰る」(ヘンデル)の曲が流れる。校長から渡される紫紺の優勝旗。F君はがっちりそれを受け取った。

閉会式後高学年児童は片付け。
それが終わった後、KANが教室に戻ると多くの児童が笑顔。
だがまだ全員揃っていない。
「あれ?団長と副団長は?」
「A先生に何か頼まれていました。」
「そうか、じゃあ揃うまで待とう。」
数分間待つ時間。

その間に話をしながら誰ともなく言い出した。
「優勝はやっぱり、団長のおかげだね。」
「うん、そうそう、応援合戦や大玉運びで負けていたら勝利はなかったよ。」
「でもいいんじゃない?どっちにしたって全力尽くしたから。」
「とにかく優勝はよかった。」
「団長が来たら拍手せん?」
「ああ、いいねー。」
「そうしよ、そうしよ。」
そんな言葉が飛び交っているうち、団長が教室に戻ってきた。

パチパチパチ!
拍手にちょっとビックリした表情を見せたF君だったが
恥ずかしそうに着席した。その姿はF君の素のシャイな姿だった。

全員が揃った後KANから今日1日を振り返る話を3分ほど。
皆疲れてはいたが、話をよく聞いていた。
一人は前に立って話を聞いていた。
彼女は日直だったので早くから帰りの会をスタンバイしていたのだ。
(まあ、今日は帰りの会はなくても・・・)
とKANは思って苦笑いしたが、せっかく準備していたようだったから
「先生の話はこれで終わりだ。じゃ帰りの会ね」
とバトンタッチした。

「今から帰りの会を始めます。」
真面目な子どもだ。いつものように
「今日のめあての反省をします。」
(とても運動会の日の終わるのようじゃないな・・・)
とKANはまた苦笑い。だがみんなも普通に前を見て聞いている。
「今日のめあては運動会で協力し全力を出しきるでした。二重丸の人は手を上げてください。」
朝にちゃんと朝の会をしていたのだ。KANは運動会の準備でばたばたしてその様子を知らなかったが今日の日直はいつものように朝の会をしていたようだ。
「二重丸だろう、今日は・・・」
どこらともなくつぶやきが聞こえた。
「全員が今日は二重丸でよかったです。」
日直の声に拍手が起こった。そして日直の女の子は続けた。
「じゃあ今日のリーダー力は、みんなあきらめずに団長に従って・・・
団長がみんなを引っ張っていて・・全校とみんなを引っ張っていて・・・
団長が・・すてきだった事です。」
「すてき」は声が小さくなったが、みんなには、たしかに聞こえた。
そしてさらに大きな拍手が起こった。

帰りのあいさつの前にKANの呼びかけで、全員集まって写真を撮った。

ひと回りもふた回りも成長した22人のすてきな笑顔がそこにはあった。
優勝したのは全員の心。(終わり)

 


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by saibikan | 2014-06-01 05:26 | 学級づくり | Trackback | Comments(0)


アートな授業作りに臨む日々。ICT活用や美術館活用、問題解決学習。思考力と心。基本はアナログ。ADE・ランナー・小学校教師Kanのblog。


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