緊張緩和の持ち上がり学級開き(5年生)

持ち上がりと言っても、学年は上がるがクラス替えがあっているので、続けて担任する子どもは三分の一。微妙な感じで、学級開きも去年と同じとはいかないな、とどうしようか考えた。一応折句を混ぜて自己紹介はしたものの、それほど強調せず、去年持っていた子どもたちがニヤリと笑った程度。それよりも転入生が二人いたから、その二人が緊張しないように心がけた学級開きを紹介しよう。

担任発表の後、新5年生を連れて旧教室へ戻り、そこで新しい学級の集団ごとに集まらせた。
移動の合図があったら、名簿順に並べて静かに新しい教室へ静かに歩いた。
名簿順に椅子に座らせ、番号がついた棚へ道具をしまう。
「みなさんこんにちは。僕が担任になりました。どうぞよろしく。」
と簡単な挨拶をして、転入生二人を黒板の前に呼んだ。
そして椅子を持ってきてみんなの顔が見えるように座らせた。

僕は二人に向かって話し始めた。
「ようこそマルマル小学校へ。肉が好きで、しいたけが好きで、オムライスが大好きな・・・〜です」
と二人に向かって話しかけた。机のところに座っている子どもたちはぽかんとしたり、ニヤリとしたり。
「実は僕は去年もこの子たちの学年で担任をしてた。クラス替えはあったけど、僕はこの5年生のことを知ってるし、彼らも僕のことは知っている。そこで今日は、君達二人に向かってこっちの人たちから自己紹介をしてもらおう。」
「え==!」
「えーじゃない。この二人はさっき体育館で挨拶をしたじゃないか。新しい学校に来て緊張してるのに、あんなたくさんの人の前で立派に言えた。みんなはもともとこの学校の住人、しかもここは教室。いうの簡単でしょ?」
「うーん」
「まあ、そんなに詳しく言わなくていい。名前と好きなものを言ってください。ちょっと考える時間をあげよう」
一分後、迎え入れる側の簡単自己紹介を全員。僕は時々、子どもたちの好きなものに反応した。
それを聴きながら転入生の表情に笑顔も見え始めた。
最後に転入生にも好きなものを言ってもらった。

続いてミニゲーム「タコとたぬき」
隣の人と向かい合って掌を合わせ、タコかたぬきを決めて、僕の
「タタタ・・・タコ!(タヌキ!)」
で、言われた方が手を打つというゲーム。
知らない人とも自然と触れ合い楽しめるゲーム。
大いに賑わった。

その後は「1分間ゲーム」黙って自分の体内時計で1分間を測って手をあげるだけ。
みんなで静かになって心の中で活動する時間。
一分に最も近かった子どもをほめた。

そして最後に担任から、真面目な話を短く。
「高学年になったから、自分のためだけでなく人のために進んで働こう。そして、教室は笑いがいっぱいの学級にしよう」

その後、3時間目は、教科書運び、道具運び。どんどん手伝ってくれた。
最後は簡単掃除。とっても頑張った。それをまた褒めたら、笑顔がいっぱい。
きちんと雑巾をかけておしまい。

c0052304_21541234.jpg


[PR]
# by saibikan | 2018-04-24 21:55 | 学級づくり | Trackback | Comments(0)

担任が決まってすること 2018年度版

担任が決まってすること2018年度版 作成者:西尾環

このシリーズも始めてやがて10年ほどになる。担任が決まってから、始業式までに担任がしておかなくてはならないことを思いつくまま書き出したものである。毎年4月になると、前年度の内容を見直し、改善を続けている。

最初は、自分のために書いていた。やがて、このブログに書き留めておくようになり、最近は、自分の職場で欲しいという声が上がり、ここ数年職員に配布している。あくまで参考ということで。ただし1年生に限っては今年、「小学校教育技術」で同様の内容を書いたので、1年担任には、そちらの方を知らせることにしている。

私は、2年前に職場が変わり、今の学校なりの必要なこと、不要なことが見えてきたので、さらに改善、整理した。1昨年度は、すぐに大地震があり、また違った面から年度始めの項目も加わっている。チェック用の枠も項目の頭に入れた。

本年度の大きな変化は校務支援システムである。本市では、昨年度末から校務支援システムがスタートした。本年度始めは、かなりの部分で、個人としてでなく学校のシステム上で簡単にできるところが出てきた。それは学年はじめの煩雑な作業を、より簡単にしてくれる。ただ、それは限られた地域の中でのことなので、この場では今までと同じように述べておく。昨年と変更部分は青で示す。

《学年集団・学級担任での準備と共通理解》
□1 学年主任を中心に挨拶と自己紹介(当たり前のことだが、チームとしてやっていくので互いのことを知ることは必要。特に主任は、教育の基本姿勢を伝えるべきである。また雑談の中で、それぞれの考え方や良さを心に留めておこう。)

□2 担任学級児童確認(クラス替えがあっている時は、カードを整理しながら男女の人数比や名前を確認する。学校によっては一覧に綺麗にしているところもある。現任校は、前年度末に前担任がクラス分けをデータとして残し、さらに教務主任がそれを今年度用に校務支援システムを活用して作り変えているのでありがたい。スムーズにいく。教頭先生や給食室とも担任レベルでも人数確認を取っておいたほうが良い。)

□3 児童情報収集(持ち上がりなど前担任が近くにいれば直接聞く。また支援学級等との交流児童がいれば支援学級担任との基本姿勢ぐらいはやっておいたほうが良い。さらに通級教室へ通っている児童がいれば相手校と1度は連絡して電話ででも話す計画を立てておくべきである。これも最近は、児童写真を含め前年度からの引き継ぎがなされる学校が多いので、中身の濃い収集が可能。年度末に管理職がすべての担任と対話をして児童の情報収集をされているところは素晴らしい

□4 児童ゴム印分け(長く使っているのは目詰まりしているかも。布テープや爪楊枝でゴミをとらないと、文字がつぶれてみえない。そして並べながら、氏名を読み上げたり、試し押しをしながら、名前をぶつぶつ言う。意外とこういうことで、少しずつ事前に名前が頭に入ってくる。)

□5 教材決め(テストやドリル等。ノートも。複数学級なら、これを学年で話し合いながら決める。選ぶ基準は、「子どもの実態に合っているか」「学力が身につくものであるか」「低学力の児童にあった配慮がなされているか」「評価や採点がしやすいか」「テストの前や後のフォローがある内容か」などなど。どれを重視するかで、何となくそれぞれの先生の教育観や学年主任の考えが分かる。)

□6 補助教材の届/承認願いの提出。(使用届と承認願いは種類が違う。使用届は学年によって制限額が異なる。社会副読本などは承認願いになる。これはすぐに出すこと。)

□7 社会科見学旅行の大まかな案と予約。(日程を決め、見学先に予約を入れる。前に行ったから、という考えだけでなく、新しい学習内容、教科書を見て、それに沿ったものにすることが必要。人気のある場所は早く押えるべき。またこの日のこの時間から予約スタート、という場所もあるので事前調べは重要。貸切バスを利用する場合は旅行会社へも連絡。熊本県の場合、地震の影響で以前とは見学できない場所もあるので要注意=通潤橋は上には登れない、熊本城は見学不能など。私は昨年4年担任だった。通潤橋は渡れなかったが、展望台ができており送水管の様子は見ることができた。試験放水も行われたので、今年は見学の幅が広がったかもしない。事前確認を。

□8 名簿作成(まずは氏名だけの一般の学級名簿。場合によっては各教科の評価用も作成。最近はデータ化されているので、前年度の名簿をもとにできる。エクセルやナンバーズで作っておくと良い。交流学級児童がいる場合は、名簿にどう入れるか、学校ごとに違うので、共通理解を図っておく。後に、住所や生年月日も入った名簿を作成。本校は、事前のクラス分けをもとに、校務支援システムでできるよう、教務主任が作ってくれたのでありがたい。ただし、データは一つずれると、すべて誤りになるので、担任で確認することを忘れてはならない。)

□9 出席簿、健康観察簿氏名印打ち(学校によってスタイルが違うので教務主任や養護教諭の指示を確認する。特に出席簿は公簿であるので要注意。休業日の書き方など例を熟読すること。学級閉鎖の場合どうなるのか?事前に知っておくとためになる。ちなみに学級閉鎖は出席停止扱いである。→校務支援システムでデータ化されたので本市では不要?

□10  導要録分け保健関係書類確認(要録にはとりあえず、個人情報があるので確認。前担任がいない時などは、指導要録に書かれていることがある程度の情報源となる。もちろん前年度の担任がいれば、時折必要事項は聞いておく。様々な角度から。保健関係書類では視力などを確認していくと良い→校務支援システムで一部データ化。ただし変換期なので紙との併用。

□11 教室を見て掃除(現場に行けば、机椅子の数や棚の配置、掲示板、フックなど、またその教室独自の道具のある・なしが分かり、なんとなく学級経営のイメージがわく。すっきりした教室でその後の準備をしたい。)

□12  学級経営案のイメージ化(校長の方針を元に、自分の方針や目標を持つ。もちろん子どもの実態からスタートすることも忘れない。きちんと書かなくてもメモ程度は必要。学校で経営案のスタイルが分かっていれば、それに当てはめて書くこともできる。)

□13 教室の教師用机の道具を揃える(はさみ、のり、テープ、・・・教室にあるものと、事務室からもらえるもの、自分で持ってくるもの、の区別をしておく。自分のものは名前を書いておかないと後でわからなくなる。私の場合、付箋紙、クリップ、定規、スタンプなども必須。)

《教室設営》

□14 かばん棚・靴箱に名札(シールやテプラを使用。中にはビニルテープに名前を書いてカッター板で切り貼る場合もあるが、靴箱のビニルテープはやがて砂がたまって剥げる場合がある。番号のみ、あるいは貼らない学校もある。名前があると、最初から迷う子どもは少ない。また整理できていない子どもが誰か、すぐわかる。始業式の放課後一斉にする学校もある。)

□15 黒板貼付け磁石名簿(ネームプレート)づくり授業や学級活動その他で色々使える。3セットあればさらによし。テプラとラミネーターと磁石があることが理想。私は児童机用と、授業用と、学級活動用の3種類作ることが多い)

□16 教室黒板常時掲示用磁石シール作成(その日の時間割の123456とか、教科のカードとか、他に必要なもの。これは案外それぞれの先生が持ち歩いているものだ。学校によってはすでに常備されていたり、他の掲示板があったりする。)
 
□17 ぞうきんがけやフックの確認(すぐに使えるように。番号シールをつける。ぞうきん用には洗濯バサミと予備のぞうきんを準備。)

□18 ホワイトボード準備(私の場合、これが重要。かなり活用する。中ぐらいのものが学校内にあるかどうか、使えるかどうか。なければディスカウントショップ、100円ショップなどで購入。あるいは白い紙をラミネートして手作りホワイトボードという手もある。少なくとも4人に1個は欲しい。)

□19 掲示板及び背面掲示板の活用計画(ざっとアイデアをノートに書き留めておく。特別支援教育の視点からいうと、黒板周囲にあまりベタベタ貼るのは好ましくない。必要分だけにするか、カーテンで授業中は隠せるようにするか。私は黒板の上には学級目標一つ程度しか貼らない。)

□20 日直の仕事表(毎日行うことを画用紙に書いておく。私は二人制。)

□21 給食当番表づくり(学校の実態で必要人数が違うので確認を。始業式当日はない場合もあるが意識づけのため初日から伝える。エプロンやマスクを忘れた時、どうするのか対応を最初から考え、対策も示しておく。給食時間の過ごし方も同時に考える。)

□22 掃除当番表づくり(掃除場所と道具を見ることが重要。広さと人数が合わない場合もある。学校のものだけでなく個人でもお掃除グッズを準備。トイレ掃除を徹底してがんばらせたい。どのような掃除方法にするか、現場を見て考える。)

□23 係活動案(子どもが来てから、子どもと話し合って、でもよいが、学年の実態に合わせてどういう係が必要かの想定はしておく。あるいは過ごしながら、こういう係が必要だと子どもと話しながら随時決めてしまう場合もある。)

《学級開きのために》

□24 学級開きの日の出会いのシナリオを考える。(子どもとの出会いの第1印象は重要。いろいろな方法がある。明るい笑顔で挨拶をして抱負や願いを述べることは忘れてはならない。そのほかに工夫してみる。私がこれまで行ったケースの例。
 ・事前に児童の氏名を覚えてしまい、顔を見ながら健康観察をした。
 ・折句自己紹介で楽しく名前を伝え、自分のも考えさせた。
 ・花束を持ってクラスの誕生日だと言ってクラスにプレゼントし飾った。
 ・集中力を高める拍手ゲームや無言1分ゲームなどでスタートした。
 ・子ども同士の関わり合いが生まれるエンカウンターなどでスタートした。
ただし子どもに受けようというのでなく、このような学級目標があるから・・と考える。)

□25 学年の教師で学年通信の名前決め。(学年で楽しく話し合う。意外と面白い)

□26 学年通信・学級通信第1号を書く。(保護者へのあいさつと第1週の時間割決定。)

《学習のために》
□27 教科書を読む。(年間の学習の見通しを)
□28 学年の年間指導計画を読む。(ここまでいくには結構道のりは遠いがー)
□29 研究について調べる。(最初から授業に生かす)
□30 時間割作成と年間の教育カレンダー作成。(最低、まずは時間割だけでも。)
□31 家庭学習をどうするか決める。(支援の必要な児童は、パターン化されたものが良いことを考えておくべきである。だから私の場合、基本的にプリントを1枚と自学帳、音読と決めている。プリントは、印刷可の練習プリント=国語・算数を学校で購入してもらう。できなければ個人購入。手作りできればそれがベストだが、なかなか時間的余裕はない。家庭学習帳は、最初の一冊だけ共同購入であとは個人で追加していく。)

《その他》
□32 学年集会を開く計画。1年生を迎える会の出し物の案。(学年教師で話し合い。)
□33 家庭訪問計画(地図で子どもの家を確認。あるいは校区を歩く。早めに立て始めるが、学校で共通理解しておくことが大事である。早い者勝ちのようにならないよう。)
□34 諸費集めの計画、集金袋準備。(生活保護や準要家庭の確認も忘れない。)
□35 地震が起きた時の対応の仕方、避難経路 (訓練を待たずに自分で考えよ。火災避難や不審者対策も)
□36 宿泊教室や修学旅行の日程確認(7番の高学年版とも言える。これらは前年度に日程が決まっている場合が多い。ただしそれは、日程だけなのか、場所や具体的計画はどうなのか、交通手段は?など早めに確認しておくべきである)
□37 教室黒板の升目書き(昨年度、久しぶりに黒板に線を入れたら=実際は友人に書いてもらった=板書を整然と書きやすくなった。これはオススメ)
□38 机並べの印つけ(床にマジックでラインを入れる。それが難しい環境であればシール)

 とりあえず書き並べている。他者にも役立つようにという思いで書いているが、あくまで私自身に役立つことを大前提に書いているものなので、絶対的なものではない。これを参考に、先生方が、自分の学校の慣習やルールにのっとって、自分なりに準備していただければ幸いである。それは、各学級の子どもが気持ち良く新しい学校生活をスタートすることにつながる。  

 やがて担任が決まる。準備をする中で、さらに必要事項が出てくれば、改善する。先生方から、こういうのもあればいいというのがあれば、むしろ今度はこちらに教えていただきたい。ここのコメントは承認制なのですぐには見えないが、FBで私と友人の方々は、そちらに直接書いていただくとありがたい。
 このコーナーもいずれは、双方向で書き換えたり、必要事項をピックアップして自分用に作り変えてDLできるようにすることなどが願いである。来年度はその辺りも考えてみたい。 以上     by Saibi Kan
c0052304_05250555.jpg

[PR]
# by saibikan | 2018-04-03 05:27 | 学級づくり | Trackback | Comments(0)

アニマル鉛筆立て

4年図画工作 立体 アニマル鉛筆立て
実施は何年生でも可能 

栄養ドリンクなどの小さな空き瓶が基本
紙粘土 絵の具 ニス
鉛筆を立てて使うこと
そのためのアイデアを考える
アニマル(動物&生き物)に限る

条件は以上

できた作品を数点紹介
c0052304_18435875.jpg
c0052304_18452464.jpg
c0052304_18471740.jpg







[PR]
# by saibikan | 2018-03-17 18:48 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

見方を変えて〜造形展の1コマ〜

見方を変えて〜造形展のコマから〜

体育館に全学年、全児童の作品が並ぶ校内造形展。
自分の学年は「アニマル鉛筆立て」。小さな空き瓶を利用して紙粘土で作る鉛筆立てが題材。
これを今年は校内造形展に出品。学年の数点をカメラに収めた。それぞれの工夫に着目して、全員分を写真に撮った。クラスにはカンガルーを作っている子が4人いた。その4つをあえて並べておいてみた。
寄ってきた低学年が
「わ、カンガルーがいっぱいいる」
高学年児童が
「おもしれえ、カンガルー軍団」
と言う。横から
「これがお母さん」
とつぶやく小さな女の子。
「どうしてお母さん?」
「だって赤ちゃんがいる」
「あらあ、ほんとだ。」
「他のはなんで赤ちゃんがいないのかな」
なんて会話が始まった。並べることでインパクトがあったようだ。

c0052304_15063498.png

ある学年の展示場にお面が並んでた。見てるだけで楽しい。
「このクラスは河童が多いですね。」
そばにいた担任に言った。バラバラではあるけど、壁のあちこちに緑色のカッパが飾ってあるのが目に飛び込んできたから。
「そうなんですよ、すぐ人の真似ばかりしちゃって。誰かが河童を作ったらすぐそれに流されちゃう。」
ああ、そんな意味で言ったんじゃないんだけど・・・と思って
「同じように見えてもそれぞれ違って面白いっす!」
と笑って話した。
その先生がうちの学級の作品群を見て
「カンガルーを固めておいてありますね。こんな並べ方もあるんだ。」
と呟いた。
「面白いなあ。わたしなんかあえて河童を散らして目立たないようにしたんですよ。並べるとどれが上手かと比べられるし。」
僕は
「でもこうやって並べるのも面白いでしょ?結構子供たちも面白がってます。こうすると共同作品みたいにも見えてきて・・・それに、全部袋があって首が取れるペンたてってのはまさに一緒でなんですけど、よ〜く顔を見たら一人一人違うんですよね。」
そんな会話だった。


確かに一人一人題材も違うのがいい。全員が独創的なアイデアでバラバラの作品が並べばそれに越したことはない。でもなかなか自分では考えられない子どももいる。隣の人のを真似てようやく作れる子どももいる。自分の考えで作っていて思うようにいかず、作品を潰したくなりながら、友達のを見て
「あ、あれなら自分も作れるかも」
と最初のアイデアと変わっていく子どももいる。そんな過程の中で造形の楽しさに触れていく子どもがいる。

似たような作品があることは、制作途中で分かる。
「お、カンガルーがいる。出来上がりが楽しみ」
と声をかけたら
「先生、〜ちゃんのもカンガルーだよ。」
と周囲から声が聞こえる。
「どれどれ、あらほんとだ、よく似てる。姉妹みたい」
と僕は返す。
「〜ちゃんのを真似したんだよ」
といかにもどちらかを否定するような声も聞こえる。
「いいじゃないか〜」
「え?」
「真似されるってことは良いことだ。手本にされてるんだから」
「そうなの?」
「それにねえ、真似しようったって全く同じにはならないよ。どんなに似ていても、その人の作り方はその人しかできないことがある。」
子どもたちは自分の作品を作りながら、僕とある児童の会話を聞いている。そして僕は、カンガルーの製作者に近づいて
「楽しそうな顔をしてるねえ、口が笑ってる」
別のカンガルー製作者には
「お、君のカンガルーは袋が深くて赤ちゃんが気持ち良さそう」

教室で展示した時にすでに僕が4つを並べて置いた。子どもたちはそれを見て笑った。
「おもしろ〜い」
「家族みたいだろ」
「確かに」
「これがママ?」
順番を勝手に並び替えたりしている。そこにはすでに誰が誰のを真似したとか、真似すんなとかいう会話はなかった。もちろん、アイデアを生み出す力は、大きく評価すべきである。僕は誰が最初にカンガルーを考えてペットボトルの蓋を袋にしたかはわかっている。製作者同士もそれをわかっている。そのことはすでに制作途中で評価している。

作品が完成した時は、その子なりの工夫ある表現を褒めたい。全ての作品にその子なりの工夫がある。そして展示の仕方をどう工夫すれば、その作品の良さが伝わるか、考えたい。それらは、やはり、制作している子どもの近くにいてこそ見えてくるものがある。完成された作品を鑑るだけでなく、活動・制作している子どもの姿を見ることが重要である。



[PR]
# by saibikan | 2018-03-17 15:07 | 造形展・子美術展・児美教室 | Trackback | Comments(0)

MM用の「 音を感じて」

「子どもたちのわくわくアート」(131 SaibiKan


◆「音を感じて」(鑑賞・小4)の授業


・教科書にある美術作品をじっくり見て、聞こえてくる「音」を想像しながら、作品の良さや面白さを感じ取る。

・絵や版画を見て、感じたことや思ったことを話したり、友人と話し合ったりすることによって、いろいろな表し方の違いに気づく。

 

小学校4年図画工作の表紙の裏に「音を感じて」というページがある。見開き2Pに様々な美術作品が掲載されている。このページに美術作品が紹介されてはいるが、これを1時間の鑑賞授業として取りあげて行うことは少ない。図工・美術に興味・関心を持たせるページであるというのが一般的だろう。教科書会社の年間指導計画にも、取り上げてはいない。


しかし、そこにある作品を子どもの主体性に任せるだけではもったいない。鑑賞教材として面白い作品が多くある。そこで私は3つの作品を選美、教科書記述の「音を感じて」を題材として鑑賞の授業作りをしてみた。1時間扱いである。


1 「華々」(吹田文明)から音を感じて

c0052304_19502505.jpg

この作品を最初に取り上げたのは、シンプルで美しく、子どもが興味を引き、わかりやすいと感じるだろうと思ったからである。音も想像しやすいだろうと。木版画の作品である。

(下記のページに作品の画像がある。この作品については、知人の元美術館学芸員の方の計らいで、作家の方に連絡をしていただき、使用の許可を得ました。感謝の意を込めてここでも紹介します。心より感謝します。)

 http://iroiroart.exblog.jp/28231747/


「華々」(吹田文明)を最初に鑑賞をしたのは、隣の学級の子ども達である。担任にお願いして授業をさせてもらった。


10分程度の予定だったが、子ども達からどんどん意見が出て、予定の倍近く時間がかかった。でもこの時、子どもは「自分が音を感じているのは、絵の形や色からなのだ」ということを学んだはず。音は、部分から聞こえたり、全体から感じたりするということに気づいた。そして人によって感じ方は違う、違っていいということに、安心感を覚えた。


このクラスで出た意見(写真)から、多くの子どもには「花火」と見えていることがわかる。感じる音やその根拠(形・色)を出し合った後に「この絵は何を表しているのだろう?」と私が問うたら「祭り」「花火大会」と答えが返ってきた。そしてある子どもが「下に描いているのが人っぽい」と発言し、「ああ、ほんとだ!」と反応があり、この絵が花火一つの絵と言うより、人々が賑わう場を表現しているということに教室内が納得した。


確かにそう思って見ていると、本当に花火が打ち上がり、鮮やかな色の華が広がり、どーんと音がすると同時に「おお〜」と声が聞こえてきそうである。これが木版画で表されている。素晴らしい作品。のちに教科書を開いてこの作品が載っていることを確認し、作品名や作家名も目にするのだが、やはり黒板にきちんとそれらも明記するべきだったと言うのが反省である。自分の学級の授業でもそこは足らなかった。しかし、初めての題材の授業は楽しいものだった。

 http://iroiroart.exblog.jp/28238966/


2 「漣」(福田平八郎)から音を感じて


「華々」の後に、テレビで「漣」を提示する。これも教科書の中に紹介されている作品である。大阪新美術館建設準備室所蔵の絹本着色。


「華々」に比べたら、そう簡単には音を感じないかもと思ったが、多くの子ども達は、水に関する自然の音が聞こえていた。作者が表しているものに近いイメージは持ったよう。

サー スー ジャバーン ジャリジャリ フー ザーザー。どのクラスも同じ。

(海 川 砂浜 波 など。中には風の音が聞こえるという者も)


青い色や細い線、波打つ線からやはりそのようなものを感じると声があがった。近付いて絵をみたいという子どもも現れた。他の2つのクラスの実践で似たような反応だった。


作品は紙でも印刷し、板書用に使った。作品名は漣(さざなみ)と教えた時、イメージできない子どももいた。そこで、静かな波の映像(音入り)で見せると、「あ〜」と思わず声が出た。この作品は時間をあまり取らなかった。早く最後の作品鑑賞に入るためである。

http://iroiroart.exblog.jp/28252668/

3 「モスクワの広場」(カンディンスキー)から音を感じて

c0052304_19511013.jpg

完全な抽象画ではないとはいえ、子どもにとっては具体性が少なく何を描いているか考えづらい作品である。しかし前の2枚で、形や色から音が想像できることを体験的に学んだ子どもたちは。想像力を膨らませていろいろな音を思い浮かべる。そして対話をする。


「ここって光みたいだよね。ほら色が薄くなっている」

「ピカーン」

「黒い鳥がいるよ。」

「カラスかな。だったらカアカアだよね。」

「これ人間?そんな形をしている」

「男と女?ピンクのスカート履いてない?」

「デートしているかも。」

「じゃあ笑っているよきっと。ウフフ・・・とか」

「町みたい。ビルかな。」

「二人の下にあるのは川?白いのは水?あわ?」

「青と赤があるのは川じゃないよね。道かな」

「これは雲の上の町かも」

「どこかに国にこんな建物があった・・えっと、えっと・・・」


頃合いを見て、作品名「モスクワの広場」を教えた。「あ〜」の声でもそれは知識豊富な子ども。4年生の多くは何の呼び名かわからない。だから「モスクワ」の写真を見せる。「あ!」の声。町の写真に、絵の中にあった建物があったのだ。


作家名「カンディンスキー」を教える。「言いにくいな〜」の声。繰り返すが正確には言えない。ロシア人であることを言うと、また、「あ〜」そ

の後、カンディンスキーの数枚の代表的な抽象画を見せると、

「定規みたいだ!」「宇宙だ」と、とても盛り上がった。

http://iroiroart.exblog.jp/28270529/

******************************

    



[PR]
# by saibikan | 2018-02-18 20:11 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

テキストのみで投稿するMM

日刊中高メールマガジン(インターネット編集長梶原さん発行)に、執筆者として参加させてもらって、もう10年以上経つ。

「子どもたちのわくわくアート」(当時は「子どもたちのアートワークス」)第1号の発行日は、2004年11月19日。ずいぶん前のことである。それから月1回のペースで投稿し続けた。ところが長くなると、自分の多忙さと甘えと、何を書くべきかという迷いみたいなものが生まれた。もちろん仕事上の自分の生き方を模索していた時代でもあり、心身ともに疲労もあった。画像が主の時代にあってテキストのみで伝えるという難しさも感じていた。ブログでもSNSでもないMM。

そして生まれた「書けない」というスランプ。メールマガジンへの投稿が数年間(3年ほどだったのかな)滞った。そのトンネルを抜けたのが2015年。テキストのみという制限された中で伝えることにも、再度挑戦し続けようと決めた。画像や映像好きな自分だが、文章も好きなのである。自分力を鍛える一つの分野でもある。
そもそも発信を続けると、様々な障壁にぶち当たる。発信の思いが受け手に伝わらないこと、妬み、目的意識の喪失、見えない相手への不安・・・。だが、発信し続けることで人とのつながりが多く生まれた。理解してくれること、人の役立つことも大きく、無償であってもその良さがある。

ただし2015年に復活してからは、無理はせず、伝えられるときに伝えようというスタンスで参加している。だから今でも数ヶ月の空白があったり、むしろ一気にまとめて書いたりする。このマイペースは、ある意味わがままかもしれないが、それを許してくれる編集長だからこそ自分も続けられるのだろう。

昨日は、ある研究会に参加して記録係の役目を果たした。文章と写真を織り交ぜてネット上で報告。いつもなら、フルに向けて調整するマラソン前夜。しかし今年は、あえなく落選。ゆっくりと記録報告の活動をした。多くの原稿〆切を抱えてそちらもちょっと合間にやった。その傍ら、テレビから流れてきた、「冬季五輪フィギュアスケートで羽生金メダル・宇野銀メダル」のニュース。羽生弓弦が怪我を乗り越えて蘇った姿にいたく感動。

そして昨夜の最後の活動は「子どもたちのわくわくアート」131号。書いて送ったら、もう今朝は配信されていた。編集長に感謝。内容は、このブログで昨年書いていた「鑑賞」の授業をまとめたものである。次回のブログ投稿記事で紹介する。
c0052304_14582088.jpg

[PR]
# by saibikan | 2018-02-18 08:33 | 情報(番組・メディア・映画) | Trackback | Comments(0)

校内音楽会の専科と担任の役割

音楽の話題を出してはいるが、私は音楽専科ではない。
担任である。長い教員生活の中で85%は担任業をしてきた。
(教務として数年間だけ、担任を離れた時期がある)

また、音楽教育への関わりは少ない。長い教員人生の中で音楽の授業をしたことは、わずか3年ほど?それも1年間は完全に自分で授業をしたが、あとは途中から交代授業で音楽をお願いした気がする。その他、完全交代授業や音楽専科へのお任せで、とにかく音楽の授業はまとまにやっていないと言っていい。


そんな担任であっても、音楽会や学習発表会になると、音楽的な活動の指導や支援に入ることはあった。特に専科がいない学校の体制であれば、交代授業であっても、結構音楽的要素を含んだ出し物を作り上げるのが面白かった。子どもの得意を発見し、それを生かすことで、学級や学年に新たな感動が生まれ、保護者も喜んだ。

しかし、音楽専科がいて校内音楽会がある学校での曲の選択については、ほとんど口出しをせず音楽専科にお任せをしていた。それは音楽会が音楽専科の専門性を生かす活躍の場であり、専科の指導によって素晴らしい演奏ができるということを理解していたからである。特に地区音楽会など校外での音楽会参加が延長上にある学年の場合は、当然そうすべきであると思っていたし、専科もその場合は「任せてくれ的な立場」であったことが多い。

それでも、音楽会が近くになると「担任も参加してください」という声かけが入った。あるいは「指揮を誰がするか決めてください」とも。私は「専科の先生がすればいいじゃないですか?」あるいは「子どもが指揮をしては?あるいは指揮なしで子どもができることも大事では?」と答えていたが「担任がすることがよいのです。」「担任がするべきです。」という返しがあった。本当にそうかなあ?という思いを抱いていたが、専科の先生が会の運営等で実際大変なことや、指揮者がいることで曲の演奏がうまくいくと知ると、引き受けて指揮をした。そうするとなんとなく専科のいうことがわかってきた。そして指揮をすることが面白くなった。

音楽専科だけでなく、身近にいた音楽好きな先生と、合奏指導や指揮の仕方について話すことも出てきた。指揮の基本、音楽会における指揮者のあり方、指揮者と演奏者の関わり方。担任が指導に入ることで、曲の完成だけでなく、仲間づくりや学級づくりにも大きく役立つことも肌で感じた。そのようにしながら、自分は若い頃から先輩の音楽を専門にする先生との関わりで、少しずつ音楽会の良さを学んだ。

だから音楽会が近づくと自分から音楽の授業にもたまに足を運んだし、授業の中で十分に参加できていない子どもの個別な指導・支援の手伝いも行ったりするようにもなった。子どもたちが音楽会に向けて頑張りたいという気持ちや、頑張ろうとして演奏の練習をしている子どもの姿を間近に見ることは大いに役立った。

だが、ある頃から、何となく音楽に対する子どもたちの気持ちの向き方が変化していると感じることが多くなってきた。「音楽が嫌い」という言葉を耳にすることが増えてきた。もちろんいつもそうではなかったが「同じ練習ばかりでつまらない」「あの楽器をやりたいけどさせてもらえない」「どうせ自分は選ばれない」そう言った声がポツポツと。最初は音楽会の練習時期に多かったが、やがてそれな日常的な授業でも。

もちろんいつもそうではないが、割合的に増えてきたかな、と思った。そしてやがて「〇〇さんがいると授業にならない」という専科の訴えがくるようになる。それに合わせて「学級全体が落ち着かず授業にならない」ということも時々。そう言われて音楽室へ足を運ぶ私は「見張り」のような存在になった。そんな場合には過去に楽しく子どもと一緒に音楽会や学習発表会の出し物を作り出そうとした楽しさはなかった。音楽会もなんとか仕上げた、当日は無事に終わった、というホッとした感であった。

さて、ここ数年、支援の必要な児童の多い学級を受け持つことが多くなっている。だから音楽専科の日常の授業でも、音楽会とは関係なく最初から音楽室に行って後ろに座っていることが多い。その場で他の仕事をしながら、時々子どもの中に入って支援や指導をするスタイルになった。専科によっては「来なくていいですよ」とおっしゃるので、教室や職員室でノートに目を通したり、教材作成や採点をしたりする。でもやはり、時々ヘルプがくることはある。そして音楽会の時期になると、かなり音楽的な支援や指導に関わるようになった。その関わりかたはその年によって違う。ある楽器の部門を受け持ったり、完全に個別な児童の指導に関わったり、歌唱指導を日々学級で行ったり。

大事なのは、子どもが、音楽会に向けて合奏や合唱をすることで音楽を好きになることである。また、みんなで音楽を作り上げる楽しさや良さを味わいながら、より良い人間関係を作って行くことである。そこに一人一人の子どもの集団への所属感や自分の存在感も感じるようにしたい。スタイルは違えど、それを忘れないでおきたい。それが担任としての自分の思い。

以上のことはあくまで校内音楽会を念頭において書いてきた。それも音楽専科がいる場合ということでのことである。そうでなければ内容はまた異なる。発表会が音楽会でなければ(例えば学習発表会であれば)私の取り組み方やスタイルはもっと多様で、表現方法も独創的であったと自負している(良くも悪くも・・・・笑)。

こうやって振り返ると音楽専科の先生からも多くのことを学んだ。
専科の先生も様々。もちろん担任も様々。考え方もスタイルも。
音楽的なすばらしさを追求するあまり、厳しさが強すぎる指導者もいる。
音楽は全て専科に任せておけばいいという教員もいる。
それぞれに思いがあり、そのような考え方をする根拠があろう。

今までは特にそういうことについて深く考えたことがあまりなかった。
でも実は今回、いい機会をいただき、自分の中でちょっと整理して考えてみた。
これから音楽を愛する先生方と一緒に考えていけたらいいと思っている。
ただし、そこにあるのは「子どもをどう育てるか」であり、「音楽活動」はあくまで手段である。
c0052304_13573590.jpg

[PR]
# by saibikan | 2018-01-08 14:01 | 音楽授業 | Trackback | Comments(0)

なぜ校内音楽会をするのか

小学校では秋になると、校内で音楽会が行われることが多い。
学校によっては学習発表会、文化祭などという行事の発表の一つとして音楽が選択される場合もある。私が勤務してきた学校を考えると、音楽会5割、学習発表会5割だろうか。それでも音楽の占める割合は8割以上になるだろう。

そういう状況はあったとしても、今回は「校内音楽会」に絞って考えてみる。
校内音楽会をどうやってするか、何を歌ったり演奏したりするのか、ということについては、学校全体や学年ごとに真剣に話し合ってきただろう。しかし、音楽会をなぜするのか?なんのためにするのか?という目的を、念頭において議論されることが大事だ。そもそも教員は、その目的を意識しているのだろうか。子どもや保護者にそれを伝えているのだろうか。

校内音楽会の目的は?

行事として提案する人(音楽担当、音楽専科、特活文化的行事担当など)はどう示しているか?教科の学習を進めた先にある行事であるから、当然教科の目標を踏まえたものになる。音楽科の目標にある「音楽を愛好する心情」「音楽に対する感性」を育てること、「音楽活動の基礎的な能力」を培うこと、最終的に「豊かな情操」を養うこと、のどれかは入っているはず。そして、学校全体で取り組む文化的行事として設定されるならば、特別活動の学校行事の目標である「望ましい人間関係の形成」「集団への所属感や連帯感」、文化的行事のねらいである「平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高める」「文化や芸術に親しんだりするような活動を行う」ことが入って来る必要があろう。

単純に言えば
「音楽を楽しみ好きになる心や豊かな感性、音楽活動基礎的能力を育てるため」
であり
「仲間とともに表現する活動を通してより良い人間関係を作ったり集団の一員としての自覚を高めたりすること」
なのだろう。
そしてこの両者がバランスよく存在することであると思う。
c0052304_07265672.jpg




[PR]
# by saibikan | 2018-01-08 07:27 | 音楽授業 | Trackback | Comments(0)

音を感じて5「モスクワの広場」

鑑賞「音を感じて」の3つ目(最終作品)は
「モスクワの広場」(カンディンスキー)
きょうかしょ1Pに大きく掲載されている作品
c0052304_06491054.jpg
完全な抽象画ではないとはいえ、子どもにとっては
具体性が少なく何を描いているか考えづらい作品ではある。
しかし前の2枚で、形や色から音が想像できることを体験的に学んだ子どもたちは
想像力を膨らませて、いろいろな音を思い浮かべる。そして対話をする。
「ここって光みたいだよね。ほら色が薄くなってる」
「ピカーン」
「黒い鳥がいるよ。」
「カラスかな。だったらカアカアだよね。」
「これ人間?そんな形してる」
「男と女?ピンクのスカート履いてない?」
「デートしてるかも。」
「じゃあ笑ってるよきっと。ウフフ・・・とか」
「町みたい。ビルかな。」
「二人の下にあるのは川?白いのは水?あわ?」
「青と赤があるのは川じゃないよね。道かな」
「これは雲の上の町かも」
「どこかに国にこんな建物があった・・えっとえっと」
c0052304_06514764.jpg
c0052304_06521987.jpg
c0052304_06544102.jpg


作品名を教える 「モスクワの広場」
「あ〜」の声
でもそれは知識豊富な子ども。多くは何の呼び名かわからない。
だから「モスクワ」の写真を見せる。
「あ!」の声。町の写真に、絵の中にあった建物があったのだ。

作家名を教える 「カンディンスキー」
「言いにくいな〜」の声。繰り返すが正確には言えない。
ロシア人であることを言うと、また、「あ〜」
わかってるのかな?
代表的な抽象画を見せると、「定規みたいだ!」「宇宙だ」

振り返って鑑賞の授業は終了。



[PR]
# by saibikan | 2017-11-16 06:53 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

音を感じて4「漣」の鑑賞

4年図画工作 「音を感じて」の鑑賞
「華々」の後に、テレビで「漣」を提示する。

これも教科書の中に紹介されている作品である。
ここで「漣」について解説しておく。

 種類  絹本着色(157×184cm)1932年 
 作家  福田平八郎

 リンクしておくので絵を詳しく見たい場合は上の作品名をクリック

華々に比べたら、そう簡単にはわからないかもと思ったが、
多くの子ども達から、水に関する自然の音が聞こえて来ていることから、
作者が表しているものに近いイメージは持ったよう。
サー スー ジャバーン ジャリジャリ フー ザーザー
(海 川 砂浜 波 など。中には風の音が聞こえるという者も)
青い色や細い線、波打つ線からやはりそのようなものを感じると。
近付いて絵をみたいという子どもも現れた。
2つのクラスの実践で似たような反応だった。
作品は紙でも印刷し、板書用に使った。

作品名は漣(さざなみ)と教えた時、イメージできない子どももいた。
そこで、静かな波の映像(音入り)で見せると、「あ〜」と思わず声が出た。
c0052304_05361695.png
これは時間をあまり取らなかった。
それはこの鑑賞の時間のメインが最後のもう一枚だからだった。
その作品は、カンディンスキーの作品(続く)

[PR]
# by saibikan | 2017-11-14 05:40 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

「情報モラルの授業」のバイブル


昨今、情報モラルの授業は大きな課題となっている。小学校にもスマホ世代が多く存在するようになり、「『危険回避するための啓発教育』だけでなく『よりよい情報の使い手となるポジティブな学び』の必要性」を、指導者である我々も認識しなくてはならない時代。そういう意味で、とても時代にあった内容の本がある。


「スマホ世代の子どものための主体的・対話的で深い学びにむかう情報モラルの授業」

    今度珠美・稲垣俊介(著) 前田康裕・原克彦(監修)

c0052304_20120766.jpg

現場で即役立つ内容である。なぜそう言えるかといえば、著者である今度先生の講座を受け、実感したからである。今度先生の講座は、著書の内容に沿って進んだ。午前中は、「ネットの文字によるコミュニケーションを考える」というワークショップで中学生の「LINE」のやりとりが提示された。もし自分が、その中学女子の立場だったら?と問いかけられた場面は、深く考えた。そして参加者同士で意見を交換することで、より悩んだ。きっと子どもたちもこのように迷うだろうな、と。


午後は「アプリの利用と個人情報」「ネット依存とルール」など小学生でも直面している問題を取り上げてレクチャーをしてくださった。これも著書に詳しく載っている。そして最も大事にされていたのが「アンケートによる実態調査の重視」である。実態あってこその授業であり資料。そして「集計よりも相関」という考え方が心に残っている。個々を大切にする考え方だ。


鳥取県の情報モラル教育アドバイザーとして、全国の小中高等学校で年間150を超える学校で「情報モラル教育」「メディアリテラシー」などの授業を行っておられる今度先生。鳥取県のいじめ問題スーパーバイザー、人権擁護委員会(法務省)など多くの活動をされている方である。しかし、多くの固い肩書きがありながら、その人柄は明るく気さくで楽しい方。前日に懇親会でご一緒したが、私たちの地域のことを大変気にかけてくださる気遣いの方だった。そして我々の郷土の文化や食に関心を持たれるとともに、細い体ながら次々と地酒や焼酎の杯を開けていく豪快さも持ち合わせていらっしゃった。さらに、何と言っても情報モラルや本のことになると熱く語り始める熱血女子だった。


ちなみに講座が行われたのは、熊本大学教育学部情報教育研究会11月例会である。

c0052304_20121560.png



[PR]
# by saibikan | 2017-11-12 20:15 | 情報教育(ICT/情報研/JAET)) | Trackback | Comments(0)

音を感じて3「華々」の鑑賞

「華々」(吹田文明)を最初に鑑賞をしたのは隣の学級の子ども達である。担任にお願いして授業をさせてもらった。「音を感じて」と言う題材の導入で使った。
c0052304_07255190.jpg
10分程度の予定だったが、子ども達からどんどん意見が出て、予定の倍近く時間がかかった。でもこの時、子どもは「自分が音を感じているのは、絵の形や色からなんだな」ということを学んだ。部分から聞こえたり、全体から感じたりするということに気づいていく。そして人によって感じ方は違うんだ、違っていいんだと言うことに、安心感を覚えていく。

このクラスで出た意見から、多くの子どもには「花火」と見えていることがわかる。感じる音やその根拠(形・色)を出し合った後に「この絵は何を表しているんだろう?」と私が問うたら「祭り」「花火大会」と答えが返ってきた。それはある子どもが「下に描いているのが人っぽい」と発言して「ああ、ほんとだ!」と反応があり、この絵が花火一つの絵と言うより、人々が賑わう場を表現していると思ったのだ。そう思って見ていると、本当に花火が打ち上がり、鮮やかな色の華が広がり、どーんと音がすると同時に「おお〜」と声が聞こえてきそうである。

これが木版画で表されている。素晴らしい作品。のちに教科書を開いてこの作品が載っていることを確認し、作品名や作家名も目にするのだが、やはり黒板にきちんとそれらも明記するべきだったと言うのが反省である。自分の学級の授業でもそこは足らなかった。しかし、初めての題材の授業は楽しいものだった。
c0052304_06540908.jpg

[PR]
# by saibikan | 2017-11-12 06:59 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

音を感じて2 華々

4年図画工作教科書の「音を感じて」のページに行くつかの美術作品がある。
その中の一つ「華々」(吹田文明)という木版画を題材にした。
シンプルで美しく子供の興味を引きわかりやすいと感じたから。
音を想像しやすいだろうと。

さて、皆さんは、どういう音が聞こえるだろうか?
どの部分から聞こえるだろうか?
c0052304_06431059.png

(この作品については、知人の元美術館学芸員の方の計らいで、作家の方に連絡をしていただき、使用の許可を得ました。感謝の意を込めてここでも紹介します。心より感謝します。)


[PR]
# by saibikan | 2017-11-11 06:44 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

音を感じて1 小4図画工作

小学校4年図画工作の表紙の裏に「音を感じて」というページがある。
様々な美術作品が掲載されている。
その中から3つの作品を選び、鑑賞教材として取り上げ、授業を行った。
それに合わせて教材を作った。
iBooksAuthorを使ってみた。
1ページ目は、純粋に「音」に関心を抱かせるページ。作品は全く出てこない。



絵の写真は載せられるか検討中です。

c0052304_20001424.jpg


[PR]
# by saibikan | 2017-10-29 20:02 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

iBooks Authorとは

Appleからは秀逸なアプリが数多く出ている。

その中に「iBooks Author」というアプリがある。AppleのHP上では、以下のように説明している。(以下引用)
********************************

iBooks Author。iPadとMacのための驚くような本を作る。

iBooks Authorは、魅力的なiBooksテキストブックをはじめ、

ありとあらゆるiPadとMac用の本を誰でも作れるようになる、

驚くようなアプリケーションです。Mac App Storeから無料で

ダウンロードできるこのアプリケーションが、OS X Yosemiteに

合わせて一段と美しく生まれ変わりました。ギャラリー、ビデオ、

インタラクティブな図表、3Dオブジェクト、数式などを自由に

配置できるので、紙に印刷されたページではありえなかったような

方法で、本の中のコンテンツがいきいきと語りはじめます。

******************************

c0052304_06301663.jpg


いわゆるweb上の本、つまり電子書籍を作成できるアプリである。

ただし本と言っても紙ベースではないので、電子ならではの特色がある。

テキストだけでなく、図形、グラフ、表、サウンド、ムービーなどを

容易に組み込めるということだ。

しかもテンプレートがあるので、まずはサンプルに合わせてはめ込むところから

始めれば良い。

本全体の構成もサイドバーでイメージしながら、容易に再構成できる。

カスタマイズもクリックで容易にできるシステムになっている。


とは言え「本」となるとハードルが高いと感じる方もいるだろう。

まずは、自分の仕事に容易に活用できる方法は?と考え、

私は、教材作りの一つとしてこれを使ってみることにした。

もちろん色彩的に優れ、動きも見ることができるとなれば

やはり、これまで自分で積み上げてきた図画工作・美術の教材の運用が好ましい。


[PR]
# by saibikan | 2017-10-22 06:22 | Macintosh | Trackback | Comments(0)


アートな授業作りに臨む日々。ICT活用や美術館活用、問題解決学習。思考力と心。基本はアナログ。ADE・ランナー・小学校教師Kanのblog。


by saibikan

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

カテゴリ

全体
キッズゲルニカ制作編
キッズゲルニカ発信編
アートマイルプロジェクト
6年海外交流ArtMile図工・総合
5年図工美術家連携プロジェクト
5年総合BOBURAドリームP
6年図工授業
5年図工授業
4年図工授業
1.2年図工授業
3年図工授業
ソーラン節
魔法プロジェクト(特別支援教育&ICT)
図工総合関連(竹ちゃん学習)
図工国語関連(やまなし)
図工サークル
図工室経営・図工美術論
図工美術全国大会/InSEA
図工美術熊本県大会2014
版画会・県市図美研・図工研発
造形展・子美術展・児美教室
美術作品・美術館・地域美術
学級づくり
総合的学習・生活科・地域
国語授業
社会授業
算数授業
理科授業
体育授業
道徳授業
外国語授業
音楽・ミュージック
自然・科学
動物(Lee/Chiro/Rufi)
スポーツ
学校行事・その他学校
情報教育(マイタウンマップ)
情報教育(ICT/情報研/JAET))
Future未来問題解決プログラム
情報(社会・news/blog/HP)
情報(番組・メディア・映画)
Macintosh
日常・旅・まち・料理
校内研究
プロフィール
我が家のアート
学習指導要領・教育施策
変わりゆく駅周辺
教師

環境エコ
I love N.Y.
教務の仕事
霧プロ
ゆげっこ同窓会
Family
小説
理科授業
熊本地震
音楽授業
未分類

LINK(excite以外)

ブログパーツ

お気に入りブログ

おおはしわあるど=ブログ=
図工だいすき子ども美術展
美術な目
■ 創生地 ■ そろそろ...
美術と自然と教育と
図工準備室
Hawaiian Br...
れれれさるの『学級日誌』
写真は口ほどにモノを言う 
図工室から ―図画工作の現場―
ぱれっとぺーじ
はーと&はーと 
尻別川の畔より/K9 F...
falmouth
図画工作・美術教育の大切...
“色といろいろ日記”
うつわのココロよ。
Heavenly Blue
つくること みること か...
のんびり徒然なるまま
smilecircle
街を美術館にしよう! ま...
図工大好き橋本ゼミin函館

最新の記事

緊張緩和の持ち上がり学級開き..
at 2018-04-24 21:55
担任が決まってすること 20..
at 2018-04-03 05:27
アニマル鉛筆立て
at 2018-03-17 18:48
見方を変えて〜造形展の1コマ〜
at 2018-03-17 15:07
MM用の「 音を感じて」
at 2018-02-18 20:11

最新のコメント

毛皮のコウディーさん、コ..
by saibikan at 22:14
彩美館のブログ主様初めま..
by 毛皮のコウディー at 16:37
カギコメ様 了解です。..
by saibikan at 21:11
カギコメ様 コメントあ..
by saibikan at 21:09
Y様 こちらこそ、..
by saibikan at 17:18
「全員でゴール」たしかに..
by saibikan at 08:15
新年度、私も同じところか..
by ゆい at 08:56
西尾さんにここまで丁寧に..
by 村上 at 17:30
いじめを受けたことがある..
by saibikan at 14:02
どういたしまして。うれし..
by saibikan at 04:31

以前の記事

2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2003年 06月

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

教育・学校
先生

画像一覧