カテゴリ:音楽授業( 2 )

校内音楽会の専科と担任の役割

音楽の話題を出してはいるが、私は音楽専科ではない。
担任である。長い教員生活の中で85%は担任業をしてきた。
(教務として数年間だけ、担任を離れた時期がある)

また、音楽教育への関わりは少ない。長い教員人生の中で音楽の授業をしたことは、わずか3年ほど?それも1年間は完全に自分で授業をしたが、あとは途中から交代授業で音楽をお願いした気がする。その他、完全交代授業や音楽専科へのお任せで、とにかく音楽の授業はまとまにやっていないと言っていい。


そんな担任であっても、音楽会や学習発表会になると、音楽的な活動の指導や支援に入ることはあった。特に専科がいない学校の体制であれば、交代授業であっても、結構音楽的要素を含んだ出し物を作り上げるのが面白かった。子どもの得意を発見し、それを生かすことで、学級や学年に新たな感動が生まれ、保護者も喜んだ。

しかし、音楽専科がいて校内音楽会がある学校での曲の選択については、ほとんど口出しをせず音楽専科にお任せをしていた。それは音楽会が音楽専科の専門性を生かす活躍の場であり、専科の指導によって素晴らしい演奏ができるということを理解していたからである。特に地区音楽会など校外での音楽会参加が延長上にある学年の場合は、当然そうすべきであると思っていたし、専科もその場合は「任せてくれ的な立場」であったことが多い。

それでも、音楽会が近くになると「担任も参加してください」という声かけが入った。あるいは「指揮を誰がするか決めてください」とも。私は「専科の先生がすればいいじゃないですか?」あるいは「子どもが指揮をしては?あるいは指揮なしで子どもができることも大事では?」と答えていたが「担任がすることがよいのです。」「担任がするべきです。」という返しがあった。本当にそうかなあ?という思いを抱いていたが、専科の先生が会の運営等で実際大変なことや、指揮者がいることで曲の演奏がうまくいくと知ると、引き受けて指揮をした。そうするとなんとなく専科のいうことがわかってきた。そして指揮をすることが面白くなった。

音楽専科だけでなく、身近にいた音楽好きな先生と、合奏指導や指揮の仕方について話すことも出てきた。指揮の基本、音楽会における指揮者のあり方、指揮者と演奏者の関わり方。担任が指導に入ることで、曲の完成だけでなく、仲間づくりや学級づくりにも大きく役立つことも肌で感じた。そのようにしながら、自分は若い頃から先輩の音楽を専門にする先生との関わりで、少しずつ音楽会の良さを学んだ。

だから音楽会が近づくと自分から音楽の授業にもたまに足を運んだし、授業の中で十分に参加できていない子どもの個別な指導・支援の手伝いも行ったりするようにもなった。子どもたちが音楽会に向けて頑張りたいという気持ちや、頑張ろうとして演奏の練習をしている子どもの姿を間近に見ることは大いに役立った。

だが、ある頃から、何となく音楽に対する子どもたちの気持ちの向き方が変化していると感じることが多くなってきた。「音楽が嫌い」という言葉を耳にすることが増えてきた。もちろんいつもそうではなかったが「同じ練習ばかりでつまらない」「あの楽器をやりたいけどさせてもらえない」「どうせ自分は選ばれない」そう言った声がポツポツと。最初は音楽会の練習時期に多かったが、やがてそれな日常的な授業でも。

もちろんいつもそうではないが、割合的に増えてきたかな、と思った。そしてやがて「〇〇さんがいると授業にならない」という専科の訴えがくるようになる。それに合わせて「学級全体が落ち着かず授業にならない」ということも時々。そう言われて音楽室へ足を運ぶ私は「見張り」のような存在になった。そんな場合には過去に楽しく子どもと一緒に音楽会や学習発表会の出し物を作り出そうとした楽しさはなかった。音楽会もなんとか仕上げた、当日は無事に終わった、というホッとした感であった。

さて、ここ数年、支援の必要な児童の多い学級を受け持つことが多くなっている。だから音楽専科の日常の授業でも、音楽会とは関係なく最初から音楽室に行って後ろに座っていることが多い。その場で他の仕事をしながら、時々子どもの中に入って支援や指導をするスタイルになった。専科によっては「来なくていいですよ」とおっしゃるので、教室や職員室でノートに目を通したり、教材作成や採点をしたりする。でもやはり、時々ヘルプがくることはある。そして音楽会の時期になると、かなり音楽的な支援や指導に関わるようになった。その関わりかたはその年によって違う。ある楽器の部門を受け持ったり、完全に個別な児童の指導に関わったり、歌唱指導を日々学級で行ったり。

大事なのは、子どもが、音楽会に向けて合奏や合唱をすることで音楽を好きになることである。また、みんなで音楽を作り上げる楽しさや良さを味わいながら、より良い人間関係を作って行くことである。そこに一人一人の子どもの集団への所属感や自分の存在感も感じるようにしたい。スタイルは違えど、それを忘れないでおきたい。それが担任としての自分の思い。

以上のことはあくまで校内音楽会を念頭において書いてきた。それも音楽専科がいる場合ということでのことである。そうでなければ内容はまた異なる。発表会が音楽会でなければ(例えば学習発表会であれば)私の取り組み方やスタイルはもっと多様で、表現方法も独創的であったと自負している(良くも悪くも・・・・笑)。

こうやって振り返ると音楽専科の先生からも多くのことを学んだ。
専科の先生も様々。もちろん担任も様々。考え方もスタイルも。
音楽的なすばらしさを追求するあまり、厳しさが強すぎる指導者もいる。
音楽は全て専科に任せておけばいいという教員もいる。
それぞれに思いがあり、そのような考え方をする根拠があろう。

今までは特にそういうことについて深く考えたことがあまりなかった。
でも実は今回、いい機会をいただき、自分の中でちょっと整理して考えてみた。
これから音楽を愛する先生方と一緒に考えていけたらいいと思っている。
ただし、そこにあるのは「子どもをどう育てるか」であり、「音楽活動」はあくまで手段である。
c0052304_13573590.jpg

by saibikan | 2018-01-08 14:01 | 音楽授業 | Trackback | Comments(0)

なぜ校内音楽会をするのか

小学校では秋になると、校内で音楽会が行われることが多い。
学校によっては学習発表会、文化祭などという行事の発表の一つとして音楽が選択される場合もある。私が勤務してきた学校を考えると、音楽会5割、学習発表会5割だろうか。それでも音楽の占める割合は8割以上になるだろう。

そういう状況はあったとしても、今回は「校内音楽会」に絞って考えてみる。
校内音楽会をどうやってするか、何を歌ったり演奏したりするのか、ということについては、学校全体や学年ごとに真剣に話し合ってきただろう。しかし、音楽会をなぜするのか?なんのためにするのか?という目的を、念頭において議論されることが大事だ。そもそも教員は、その目的を意識しているのだろうか。子どもや保護者にそれを伝えているのだろうか。

校内音楽会の目的は?

行事として提案する人(音楽担当、音楽専科、特活文化的行事担当など)はどう示しているか?教科の学習を進めた先にある行事であるから、当然教科の目標を踏まえたものになる。音楽科の目標にある「音楽を愛好する心情」「音楽に対する感性」を育てること、「音楽活動の基礎的な能力」を培うこと、最終的に「豊かな情操」を養うこと、のどれかは入っているはず。そして、学校全体で取り組む文化的行事として設定されるならば、特別活動の学校行事の目標である「望ましい人間関係の形成」「集団への所属感や連帯感」、文化的行事のねらいである「平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高める」「文化や芸術に親しんだりするような活動を行う」ことが入って来る必要があろう。

単純に言えば
「音楽を楽しみ好きになる心や豊かな感性、音楽活動基礎的能力を育てるため」
であり
「仲間とともに表現する活動を通してより良い人間関係を作ったり集団の一員としての自覚を高めたりすること」
なのだろう。
そしてこの両者がバランスよく存在することであると思う。
c0052304_07265672.jpg




by saibikan | 2018-01-08 07:27 | 音楽授業 | Trackback | Comments(0)


アートな授業作りに臨む日々。ICT活用や美術館活用、問題解決学習。思考力と心。基本はアナログ。ADE・ランナー・小学校教師Kanのblog。


by saibikan

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

LINK(excite以外)

カテゴリ

全体
キッズゲルニカ制作編
キッズゲルニカ発信編
アートマイルプロジェクト
6年海外交流ArtMile図工・総合
5年図工美術家連携プロジェクト
5年総合BOBURAドリームP
6年図工授業
5年図工授業
4年図工授業
1.2年図工授業
3年図工授業
ソーラン節
魔法プロジェクト(特別支援教育&ICT)
図工総合関連(竹ちゃん学習)
図工国語関連(やまなし)
図工サークル
図工室経営・図工美術論
図工美術全国大会/InSEA
図工美術熊本県大会2014
版画会・県市図美研・図工研発
造形展・子美術展・児美教室
美術作品・美術館・地域美術
学級づくり
総合的学習・生活科・地域
国語授業
社会授業
算数授業
理科授業
体育授業
道徳授業
外国語授業
音楽・ミュージック
自然・科学
動物(Lee/Chiro/Rufi)
スポーツ
学校行事・その他学校
情報教育(マイタウンマップ)
情報教育(ICT/情報研/JAET))
Future未来問題解決プログラム
情報(社会・news/blog/HP)
情報(番組・メディア・映画)
Macintosh
日常・旅・まち・料理
校内研究
プロフィール
我が家のアート
学習指導要領・教育施策
変わりゆく駅周辺
教師と社会・保護者

環境エコ
I love N.Y.
教務の仕事
霧プロ
ゆげっこ同窓会
Family
小説
理科授業
熊本地震
音楽授業
未分類

ブログパーツ

お気に入りブログ

おおはしわあるど=ブログ=
図工だいすき子ども美術展
美術な目
■ 創生地 ■ そろそろ...
美術と自然と教育と
図工準備室
Hawaiian Br...
れれれさるの『学級日誌』
写真は口ほどにモノを言う 
図工室から ―図画工作の現場―
ぱれっとぺーじ
はーと&はーと 
尻別川の畔より/K9 F...
図画工作・美術教育の大切...
“色といろいろ日記”
うつわのココロよ。
Heavenly Blue
つくること みること か...
のんびり徒然なるまま
smilecircle
街を美術館にしよう! ま...
図工大好き橋本ゼミin函館

最新の記事

5歳児が描く「お昼ご飯」
at 2018-12-16 19:18
4歳児が描く「ヒーロー」
at 2018-12-16 06:40
Hi! pepper!
at 2018-12-09 22:59
紅葉の菊池渓谷2018
at 2018-11-29 05:03
振り返ることの大切さ
at 2018-11-28 22:04

最新のコメント

毛皮のコウディーさん、コ..
by saibikan at 22:14
彩美館のブログ主様初めま..
by 毛皮のコウディー at 16:37
カギコメ様 了解です。..
by saibikan at 21:11
カギコメ様 コメントあ..
by saibikan at 21:09
Y様 こちらこそ、..
by saibikan at 17:18
「全員でゴール」たしかに..
by saibikan at 08:15
新年度、私も同じところか..
by ゆい at 08:56
西尾さんにここまで丁寧に..
by 村上 at 17:30
いじめを受けたことがある..
by saibikan at 14:02
どういたしまして。うれし..
by saibikan at 04:31

以前の記事

2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2003年 06月

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

教育・学校
先生

画像一覧