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MM用の「 音を感じて」

「子どもたちのわくわくアート」(131 SaibiKan


◆「音を感じて」(鑑賞・小4)の授業


・教科書にある美術作品をじっくり見て、聞こえてくる「音」を想像しながら、作品の良さや面白さを感じ取る。

・絵や版画を見て、感じたことや思ったことを話したり、友人と話し合ったりすることによって、いろいろな表し方の違いに気づく。

 

小学校4年図画工作の表紙の裏に「音を感じて」というページがある。見開き2Pに様々な美術作品が掲載されている。このページに美術作品が紹介されてはいるが、これを1時間の鑑賞授業として取りあげて行うことは少ない。図工・美術に興味・関心を持たせるページであるというのが一般的だろう。教科書会社の年間指導計画にも、取り上げてはいない。


しかし、そこにある作品を子どもの主体性に任せるだけではもったいない。鑑賞教材として面白い作品が多くある。そこで私は3つの作品を選美、教科書記述の「音を感じて」を題材として鑑賞の授業作りをしてみた。1時間扱いである。


1 「華々」(吹田文明)から音を感じて

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この作品を最初に取り上げたのは、シンプルで美しく、子どもが興味を引き、わかりやすいと感じるだろうと思ったからである。音も想像しやすいだろうと。木版画の作品である。

(下記のページに作品の画像がある。この作品については、知人の元美術館学芸員の方の計らいで、作家の方に連絡をしていただき、使用の許可を得ました。感謝の意を込めてここでも紹介します。心より感謝します。)

 http://iroiroart.exblog.jp/28231747/


「華々」(吹田文明)を最初に鑑賞をしたのは、隣の学級の子ども達である。担任にお願いして授業をさせてもらった。


10分程度の予定だったが、子ども達からどんどん意見が出て、予定の倍近く時間がかかった。でもこの時、子どもは「自分が音を感じているのは、絵の形や色からなのだ」ということを学んだはず。音は、部分から聞こえたり、全体から感じたりするということに気づいた。そして人によって感じ方は違う、違っていいということに、安心感を覚えた。


このクラスで出た意見(写真)から、多くの子どもには「花火」と見えていることがわかる。感じる音やその根拠(形・色)を出し合った後に「この絵は何を表しているのだろう?」と私が問うたら「祭り」「花火大会」と答えが返ってきた。そしてある子どもが「下に描いているのが人っぽい」と発言し、「ああ、ほんとだ!」と反応があり、この絵が花火一つの絵と言うより、人々が賑わう場を表現しているということに教室内が納得した。


確かにそう思って見ていると、本当に花火が打ち上がり、鮮やかな色の華が広がり、どーんと音がすると同時に「おお〜」と声が聞こえてきそうである。これが木版画で表されている。素晴らしい作品。のちに教科書を開いてこの作品が載っていることを確認し、作品名や作家名も目にするのだが、やはり黒板にきちんとそれらも明記するべきだったと言うのが反省である。自分の学級の授業でもそこは足らなかった。しかし、初めての題材の授業は楽しいものだった。

 http://iroiroart.exblog.jp/28238966/


2 「漣」(福田平八郎)から音を感じて


「華々」の後に、テレビで「漣」を提示する。これも教科書の中に紹介されている作品である。大阪新美術館建設準備室所蔵の絹本着色。


「華々」に比べたら、そう簡単には音を感じないかもと思ったが、多くの子ども達は、水に関する自然の音が聞こえていた。作者が表しているものに近いイメージは持ったよう。

サー スー ジャバーン ジャリジャリ フー ザーザー。どのクラスも同じ。

(海 川 砂浜 波 など。中には風の音が聞こえるという者も)


青い色や細い線、波打つ線からやはりそのようなものを感じると声があがった。近付いて絵をみたいという子どもも現れた。他の2つのクラスの実践で似たような反応だった。


作品は紙でも印刷し、板書用に使った。作品名は漣(さざなみ)と教えた時、イメージできない子どももいた。そこで、静かな波の映像(音入り)で見せると、「あ〜」と思わず声が出た。この作品は時間をあまり取らなかった。早く最後の作品鑑賞に入るためである。

http://iroiroart.exblog.jp/28252668/

3 「モスクワの広場」(カンディンスキー)から音を感じて

c0052304_19511013.jpg

完全な抽象画ではないとはいえ、子どもにとっては具体性が少なく何を描いているか考えづらい作品である。しかし前の2枚で、形や色から音が想像できることを体験的に学んだ子どもたちは。想像力を膨らませていろいろな音を思い浮かべる。そして対話をする。


「ここって光みたいだよね。ほら色が薄くなっている」

「ピカーン」

「黒い鳥がいるよ。」

「カラスかな。だったらカアカアだよね。」

「これ人間?そんな形をしている」

「男と女?ピンクのスカート履いてない?」

「デートしているかも。」

「じゃあ笑っているよきっと。ウフフ・・・とか」

「町みたい。ビルかな。」

「二人の下にあるのは川?白いのは水?あわ?」

「青と赤があるのは川じゃないよね。道かな」

「これは雲の上の町かも」

「どこかに国にこんな建物があった・・えっと、えっと・・・」


頃合いを見て、作品名「モスクワの広場」を教えた。「あ〜」の声でもそれは知識豊富な子ども。4年生の多くは何の呼び名かわからない。だから「モスクワ」の写真を見せる。「あ!」の声。町の写真に、絵の中にあった建物があったのだ。


作家名「カンディンスキー」を教える。「言いにくいな〜」の声。繰り返すが正確には言えない。ロシア人であることを言うと、また、「あ〜」そ

の後、カンディンスキーの数枚の代表的な抽象画を見せると、

「定規みたいだ!」「宇宙だ」と、とても盛り上がった。

http://iroiroart.exblog.jp/28270529/

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by saibikan | 2018-02-18 20:11 | 4年図工授業 | Trackback | Comments(0)

テキストのみで投稿するMM

日刊中高メールマガジン(インターネット編集長梶原さん発行)に、執筆者として参加させてもらって、もう10年以上経つ。

「子どもたちのわくわくアート」(当時は「子どもたちのアートワークス」)第1号の発行日は、2004年11月19日。ずいぶん前のことである。それから月1回のペースで投稿し続けた。ところが長くなると、自分の多忙さと甘えと、何を書くべきかという迷いみたいなものが生まれた。もちろん仕事上の自分の生き方を模索していた時代でもあり、心身ともに疲労もあった。画像が主の時代にあってテキストのみで伝えるという難しさも感じていた。ブログでもSNSでもないMM。

そして生まれた「書けない」というスランプ。メールマガジンへの投稿が数年間(3年ほどだったのかな)滞った。そのトンネルを抜けたのが2015年。テキストのみという制限された中で伝えることにも、再度挑戦し続けようと決めた。画像や映像好きな自分だが、文章も好きなのである。自分力を鍛える一つの分野でもある。
そもそも発信を続けると、様々な障壁にぶち当たる。発信の思いが受け手に伝わらないこと、妬み、目的意識の喪失、見えない相手への不安・・・。だが、発信し続けることで人とのつながりが多く生まれた。理解してくれること、人の役立つことも大きく、無償であってもその良さがある。

ただし2015年に復活してからは、無理はせず、伝えられるときに伝えようというスタンスで参加している。だから今でも数ヶ月の空白があったり、むしろ一気にまとめて書いたりする。このマイペースは、ある意味わがままかもしれないが、それを許してくれる編集長だからこそ自分も続けられるのだろう。

昨日は、ある研究会に参加して記録係の役目を果たした。文章と写真を織り交ぜてネット上で報告。いつもなら、フルに向けて調整するマラソン前夜。しかし今年は、あえなく落選。ゆっくりと記録報告の活動をした。多くの原稿〆切を抱えてそちらもちょっと合間にやった。その傍ら、テレビから流れてきた、「冬季五輪フィギュアスケートで羽生金メダル・宇野銀メダル」のニュース。羽生弓弦が怪我を乗り越えて蘇った姿にいたく感動。

そして昨夜の最後の活動は「子どもたちのわくわくアート」131号。書いて送ったら、もう今朝は配信されていた。編集長に感謝。内容は、このブログで昨年書いていた「鑑賞」の授業をまとめたものである。次回のブログ投稿記事で紹介する。
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by saibikan | 2018-02-18 08:33 | 情報(番組・メディア・映画) | Trackback | Comments(0)


アートな授業作りに臨む日々。ICT活用や美術館活用、問題解決学習。思考力と心。基本はアナログ。ADE・ランナー・小学校教師Kanのblog。


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